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不思議な飴玉(2)

何でもいいと言っている、さっき俺が手助けしたおばあさんは、何でか知らんが魔法が使えるらしいのだ。 正直嘘だと思ったよ。 俺が見ている夢なんじゃないかって。 けど、頬をつねって痛みを感じるし、俺が持っていた買い物袋も一瞬で消えた。 そもそもおばあさん本人が、腰を曲げてよろよろ歩いてたのにピンと背筋を伸ばして立っている。 それにね、指を鳴らす度に色々なアイテムが登場するし、おばあさんがおばあさんじゃなくなったのが何よりの証拠だ。 さっき見かけた女の子になったり、近くで鳴いていた猫になってみたり。 とにかく俺がなかなか信じないのが気に入らなかったのか、ありとあらゆるものに姿を変えてくれた。 「それで、あなたの願いは?」 「……あ、」 本当に魔法が使えるんだ、このおばあさんは。 どうしよう。 どうしたらいい? お金が欲しいとか、ゲームが欲しいとか。 頭が良くなりたいとか、モテたいとか。 そんなことじゃなくて、俺にはどうしても叶えたい願いがある。 だけど、それを言っていいのかどうか。 でも……。 今言わなきゃ、絶対に叶うことはないんだから。 「す、好きな人と付き合いたい……です……」 おばあさんは俺の願いを聞くと、目をぱちっと開いて、そして優しく微笑んだ。

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