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不思議な飴玉(4)
「ちょっと、夕飯の買い物今日はあんたが担当でしょ! さっさと行ってきなさい!」
がみがみうるさいのはいつものことだけど、勝手に部屋に入って来ておいて早々に怒鳴ることはないだろ。
毎回そう。俺の気持ちなんてお構いなしに、騒ぎ立てるんだから。
いつもなら、姉貴に向かって多少の反抗はするけど、今日はそんな気分じゃない。
できるだけ言い合いをしたくなかったから、俺は仕方なく椅子から立ち上がった。
「はいはい。うるさいなぁ。行けばいいんだろ、行けば……」
めんどくさいなぁ。
でも「俺ちょっと悩み事あって考えたいことあるから、今日は当番交代してくれない?」って言ったところで、オッケーしてくれるような奴じゃあないから。
俺の頼みごとを、たったの一回さえも聞いてくれたことはないんだ。
「…………あ、」
頼みごとを聞いて欲しいのなら、さっきの飴玉を使ってみればいいんじゃないか?
すっごいいいこと思いついた。
この飴玉が本当に力のある飴玉なのか、確かめてみなきゃいけないんだし。
俺は飴玉が入った容器のフタを開け一粒取ると、姉貴に向かって突き出した。
「この飴玉友達にお土産でもらったんだけど。たくさんあるから姉貴にもやるよ」
一瞬、きょとんとする姉貴。
「どうしたのあんた……。まぁいいわ。美味しそうだからもらっとく」
だけど、そう言ってすぐに口に含んだ。
どうやらおいしかったらしく、嬉しそうにコロコロと飴玉を舌で転がしている。
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