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不思議な飴玉(13)
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しばらくしてやっと理解したのか、広瀬がわーわーと声をあげて泣きだした。
泣いてる広瀬には悪いけど、たまらなく可愛いって思ってしまう。
広瀬のこと、もっともっと好きになる。
「お、俺……っ」
「いいよ、言わなくても分かってるから」
優しい広瀬のことだ。
自分の勝手で俺にあんなことを頼んだのを後悔したんだろう。
頼まれた時にはさすがにびっくりしたけど。
でも、あんな辛そうな顔でやめてなんて言って。
今までのお願いだって、俺がした後にいつも泣きそうになってた。
早く言えば良かったんだろうけど、飴玉食べてるから何言ったって信じてもらえないと思って、なかなか言いだせなかった。
「俺に飴玉使ってくれてありがとう。俺を好きになってくれてありがとう」
「にしか、わぁ……」
「早くに気持ち言ってあげれなくてごめん。お前ばっかり苦しめたな?」
「ふぇ……」
「もう飴玉なんて使わなくても、キスでも何でもしてやるから」
次から次へとあふれる涙を掬い、頬に鼻に唇にキスを落とす。
「広瀬、好き」
「俺、も」
「大好き」
おでこをくっつけてじっと見つめると、広瀬は泣きながらも嬉しそうに笑ってくれた。
END
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