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不思議な飴玉(13)

***** しばらくしてやっと理解したのか、広瀬がわーわーと声をあげて泣きだした。 泣いてる広瀬には悪いけど、たまらなく可愛いって思ってしまう。 広瀬のこと、もっともっと好きになる。 「お、俺……っ」 「いいよ、言わなくても分かってるから」 優しい広瀬のことだ。 自分の勝手で俺にあんなことを頼んだのを後悔したんだろう。 頼まれた時にはさすがにびっくりしたけど。 でも、あんな辛そうな顔でやめてなんて言って。 今までのお願いだって、俺がした後にいつも泣きそうになってた。 早く言えば良かったんだろうけど、飴玉食べてるから何言ったって信じてもらえないと思って、なかなか言いだせなかった。 「俺に飴玉使ってくれてありがとう。俺を好きになってくれてありがとう」 「にしか、わぁ……」 「早くに気持ち言ってあげれなくてごめん。お前ばっかり苦しめたな?」 「ふぇ……」 「もう飴玉なんて使わなくても、キスでも何でもしてやるから」 次から次へとあふれる涙を掬い、頬に鼻に唇にキスを落とす。 「広瀬、好き」 「俺、も」 「大好き」 おでこをくっつけてじっと見つめると、広瀬は泣きながらも嬉しそうに笑ってくれた。 END

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