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もう一度(9)

*****  僕の気持ちに応えるように、何度もキスが繰り返される。 胸がいっぱいになって、また涙があふれた。 「……んぅ、」 背中に回した手に、力を込める。 好き。 陽呂が好き。 好きだよ。 「ひ……ろ……」 「りょ……さ、ん、」 「ひ、ろ」 まだ、好きなの。 あふれ出る涙が止まらない。 僕の背中を抱きしめてくれていた陽呂の手が、頭へと回された。 撫でるようにして、優しく触れてくれる。 温かい。 触れてくれるところ、全てが。 陽呂の温もりで包まれて、僕は幸せだよ。 「……き」 陽呂が僕と一緒にいて、楽しくないのは分かってる。 引きずってるのも僕だけだって、ちゃんと分かってる? 分かってるけど……。 「す、き」 それでも諦めきれない。 君への気持ちはおっきくて、温かくて、大切で。 これからもずっと、それは変わることはないんだ。

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