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けんかするほど仲がいい続編(2-2)

  ……それを言われたら何も言い返せない。 確かに、高校に入学してからの数ヶ月、ずっと俺ら三人で連んできたから、今さら一緒にいるのをやめるとかそんなの考えられねーし。 俺と悠太は友だちで、雅行と悠太も友だちで。 でも俺と雅行は友だちでもあり恋人でもあるわけだから、関係性が少し違う。悠太は気まずさを感じてるよな。 「いや、本気にしないで。俺そんな気にしてないし」 「え?」 雅行もだけどお前も相当思ってることが顔にでるよなって、悠太が笑う。 「そんなに顔に出てる?」 「うん、かなりね」 ははっと散々笑った後、飲み終わったジュースの紙パックを投げつけられた。 痛いと睨めば、にやりとした笑いに変わる。 「雅行の話を聞きたければ、そのゴミを捨ててくるがいい」 「……なぁ、雅行ん時と態度違くね?」 「は?」 「……す、捨ててきます」 渋々立ち上がり、教室の隅にあるゴミ箱に捨てた。振り返って悠太を睨むと、ごめんもありがとうもなく、ただ笑って手を振っている。まぁでもあいつがこんなんだから、助かってるところもあるんだよなぁ。 「で? 雅行の話とは?」 席に着くと、すぐに話題を雅行に戻した。 ただでゴミ捨て係はやらねーぞ。 「え? 何もねーよ?」 「はぁ?」 「だって言うべきことは、わりと言ってるし。全部お前に話すのは、雅行も可哀想じゃん? アイツさぁ、”達哉、俺のこと何か言ってる?”って聞いときながら、“やっぱり怖いから聞かない、言わなくていい”すぐに耳塞ぐんだぜ」 可愛いよなぁ雅行、って悠太がしみじみとそんなことを言う。ゴクリと、俺の喉が鳴った。雅行、可愛すぎるな。

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