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けんかするほど仲がいい続編(2-3)

「そーいやこの間は、“隣にいるだけで緊張して死にそう”って言ってたし、“手繋いだ時に手汗かかれたら引く?”とも聞いてきたし。あ、手繋ながら映画見たんだって?」 「……けっこう話してるんだな、雅行は」 「んー、毎日お前がいない時にのろけられてるからな」 「まじすか……」 「なんか俺、お前らの保護者になった気分」 結局話しちゃったなって、悠太が大きく伸びをした。それから俺のジュースを奪い、残りを全て飲み干した。 「まぁでも俺はお前たちが仲良くやってんの嬉しいよ」 「……おぅ」 「アイツお前のことすげぇ好きだから、ちゃんと大切にしてやれよ」 「そのつもりだし、」 「あ、今日見舞いに行くんだろ? 弱ってるとこ一気に襲ってくれば?」 「……は?!」 せっかくいいこと言うなぁと思ってたのに、こうやって余計な一言で壊すんだから。……でも、寝込み襲うのもアリかもな。弱ってるから、キス……くらいは、何回かできんじゃね? 「達哉さん、今ヤらしいこと考えましたね?」 「……げ、」 「げってなんだよ、げって」 「……お前何でもお見通しだな、それやめろよ」 「だからお前は顔に出るんだって」 そんなくだらないことを話していると、あっという間に昼休みが終わった。 それから長く感じた午後の授業を乗り切り、俺は放課後すぐに雅行の家へと向かった。

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