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明日の朝には回収業者の人間がやってくる。
相変わらず虚空を見たままのそいつに近づいて、俺はキーボードで文字を入力した。
『役立たず』
チリッと胸の奥に火がついたような熱さを感じた。
『馬鹿』
俺は言葉を追加した。
熱は痛みに変わり、胸の中をどんどん広がっていく。
そして、最後の言葉を打とうとして、指を止めた。
俺はそいつの正面に回り、両肩を掴んだ。
*****
その唇が、私の目の前で何度も何度も同じ形を描いた。
「―――! ―――!」
しかし、私にはわからないのです。
だめです、ちゃんとキーボードで入力してくれなければ。
あなたは激しく首を横に振っている。
「―――! ―――!」
そして、私の首元に縋るように抱きついてきた。
胸と胸とが接触している。
「―――! ―――!」
あなたの鼓動を感じる。
「―――! ―――!」
だめです。
「―――! ―――!」
私にはわかりません。わからないのです。
「―――! ―――!」
あなたの肩が小刻みに揺れている。
「―――! ―――!」
私の首筋が何かで濡れる。
「―――! ―――!」
私には……無理なのです。声では伝わらないのです。
「―――! ―――!」
私の目には映ってました。ずっとずっと。
あなたの笑顔も泣き顔も。ずっと見ていました。
あなたが一人で孤独に耐え、頑張っていることを知っています。
「―――! ―――!」
腕を解いて私の瞳を覗き込むあなたの頬が濡れている。
「―――! ―――!」
頬の雫を思い切り手の甲で拭っている。
ああ、この腕が動いたら。
この手であなたの涙を拭うのに!
あなたを思い切り抱き締めるのに!
「―――! ―――!」
顔をくしゃくしゃに歪め、あなたは何度も何度もその言葉を繰り返す。
「―――! ―――!」
自分の胸をそんなに叩かないでください。
私はいつだってあなたのそばに居ます。
それでもまだその唇は私に何かを伝えようと必死に動いている。
ああ……ああ!
「―――! ―――!」
あなたの涙を見ていると、胸の奥に……温かなものが生まれてきます。
ああ!
これが、伝わるってことでしょうか。
「―――! ―――!」
あなたの言葉が、想いが……流れ込んできます、私の胸に。
初めてです、こんな感覚……!
「―――! ―――!」
ええ、ええ!
私も、です。
「私も、ずっと、これからも、あなたが―――」
***「③How to convey love」終わり
検索ロボットの答えはweblio辞書を参考にさせていただきました。
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