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丹羽圭祐とは②
烏丸イトさんは、すごく整った顔立ちというわけでも、綺麗な人だというわけでもない。
その上いつも家にいて普通の仕事をしているようには見えないし、なんというか、これは憶測だけれど、多分あんまし普通の人ではない。
別に女顔というわけでも、何か愛嬌があるとかそういうわけでもないし。けれど、不思議な魅力がある人だということは確実で、いつしか彼の家へ届ける宅配物はないかと、いの一番に確認してしまうようになったし、もし届け物があればその日は一日有頂天になって、どんな他愛のない話をしようか、そればっかり考えるようになっていた。
彼の視界に入ると心臓が高鳴って、触れられでもしたら爆発してしまうんではないかと言うほど脈打つ。
全身が火照り頭がクラクラして、目の前にいる彼の姿しか見えなくなってしまう。普段できていることが何も出来なくなってしまって、いつもは潜んでいる闇の部分が顔を出しあれしろ、こうしろと囁きかけてくるのだ。
自分が自分ではなくなるような、そんな感覚に溺れてしまいそうになる。溺れたくなってしまうのだ。
彼に触れて、好きだと。そう伝えることが出来たらどんなに幸せか。
…いいや、触れなくてもいい。本当に、この気持ちを伝えるだけでいいのだ。受け入れられなくたって、別にいい。ただ俺の想いが、どんな形であれ彼の心に届いてくれれば、それだけで…。
そう、思っていたはずなのに。
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