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丹羽圭祐とは⑤
痛みがゆっくりと消えていく。よかった、本当に良かった。水最強だな。安堵から気が抜けながらも、暗がり中、よくは見えないけれど何か固まってしまった丹羽さんに不思議に思って彼の名前を呼ぶ。
丹羽さんはハッとしたように返事をすると、慌てた様子でベッドの上、膝をついたまま制服を脱ぎはじめた。
「あ、あの、丹羽さん…」
「服!そうですよね、服、濡れて、そう、脱がないと……」
「…丹羽さん?」
いやいや、上だけならまだわかるけど。なんでベルトまで外しにかかってるのか。
カチャカチャと聞こえてくる金属音に訳がわからないままどきっとした。
何か様子のおかしい丹羽さんを不審に思いながら彼を伺うが、やはり電気が付いてないせいでよく見えないけれど、丹羽さん、何か混乱してないか?
丹羽さんは俺の呼びかけに何か気がついたように、ベルトを外す手を止めて、あれ?と素っ頓狂な声を上げた。
「え、服?服脱いでどうするんですか?」
「いや、服脱いでもらって……乾かそうと、」
いやわかってないで脱いでたのかよ!
妙におかしくって笑うと丹羽さんは小さな声で謝罪の言葉を口にした。
見えないけれど、その顔はさぞかし真っ赤に染まっていることだろうと思う。助けてもらった手前、からかうなどということはしないけれども、まあどっちにしろこんな暗いままでいる意味もないし。
枕元を漁って電気のリモコンを探す。それらしき長方形の機器を見つけるとそれを手に取った。
「とりあえず暗いままもあれなんで、明かりつけますね」
「えっ、いま…」
丹羽さんの返事を待たずして部屋の電気をつける。
瞬間明るくなる室内、明暗順応で一瞬なにも見えなくなるがすぐに視力は回復していきその眩しさに目を細めた。
「丹羽さ……ん、…えっ、」
「わ……あ、…えっと。ちょ、っと…電気はつけないで欲しかった、です」
ベッドの上、上裸の丹羽さんはそう言って顔を隠すように俯いた。俺は、なんというか驚きで声も出ない、とはこういうことなんだなと身をもって知ったという感じなのだが、つまり、なんというか。
丹羽さんは予想以上に顔を真っ赤にさせていたし、なんならベルトが外され、緩んだズボンの中心で大きく主張するそれも視界に入ってしまって、俺は、なにも言えなくなってしまったのだ。
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