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第11話
「はー…。マジかー…嘘だろ…」
「最後ああなるなんてな…。ちょっと泣くかと思った」
「匠泣くなら俺の胸で泣けよー」
「は?くっつくなって」
「ふふーん、俺の口に付いた生クリーム舐めるような変態に言われたくないなー」
こいつは1度いじり始めるととことんいじる。
二年前に別れたカップルのイザコザを今でも話題にしては彼氏だった方を困らせている、そんな奴だ。悪気はないのだろうが、これは…やってしまった。
俺のあの行為は明日には学年中に広まっているのだろう。
「はーあ、馬鹿なことしたな…」
どんな反応をしたらいいのかわからず、とりあえずため息をついた。
「へー、俺は嬉しかったけどなー!」
「はあ?」
「俺、匠大好きだからなー」
高身長のチャラ男に「大好き」なんて言われても。
そもそも俺は女の子相手にも恋愛感情をもったことなんてないんだ。
それがこんなガタイのいい男相手に胸が踊るなんてそんなはずない。
「うっわ赤くなってるー!かっわいー!」
「ばっ、これはっ…」
「俺マジで匠なら抱けるー」
「はあああ!?」
「ふはは!」
本気が冗談か、俺の頭をグイグイと撫でるとポップコーンのゴミを捨てるために俺から離れた。
「あれ?紀田くん?」
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