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第14話
「…星野…」
「ん?」
「悪いけど、俺たちこれから夕飯食うから。それじゃーな」
「えっ?あ、紀田くんも星野くんも末永くねー!あ、じゃなくて気をつけて帰ってねー」
嶋に引きずられるようにしながらも嬉しそうに手を振りながら立ち去った桜田。
星野が2人に付き合えばとか、色々言っていたが、嶋の反応を見る限りあながち見当違いでもないのかもしれない。
「あーあ、桜田ちゃん行っちゃったねー。最後よく分かんないこと言ってたし」
「…ああ…そうだな…」
最後に見せた桜田の笑顔が輝きすぎて複雑な気持ちだ。
「俺たちは夕食どうする?まだ早いからこのまま家帰っちゃってもいいし。匠がいいならどっか寄って食ってってもいいし」
「あ、うーん…」
通路の端によって携帯を触り始めた星野。
根は真面目だから大方母親にでも連絡しているのだろう。
「何?」
「いや…」
「どした?」
尊敬するほどのスピードで何かを打ち込むとすぐさま画面を暗くした。
歯切れの悪い俺の返事に不思議そうな顔をしている。
「夕食食って帰るか」
「そう?無理に合わせなくていいけど」
「俺の性格忘れたか。嫌だったらもう帰ってる」
俺の返事に満更でもなさげに笑うと、俺の頭を抱え込むようにぐしゃぐしゃと撫でた。
「そーでした」
「そうだよ」
「匠は何食べたい?」
「…オムライス」
「女子かよ」
「笑うな。殴るぞ」
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