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第19話
「たくっ!!!!」
「流星!!」
隣のクラスの球技大会でバスケ枠で出る奴ら対俺らのクラスの球技大会メンバーで試合をしている。
うちのクラスのメンバーの中に幼なじみの流星ってのがいて、そいつもバスケ部ですごく真面目なやつだ。
力強い瞳で俺にパスを要求する。
「流星入れろ!!」
女子の試合は終わったようで、気づくとコートの周りに集まりみんなで応援してくれている。
流星が綺麗な孤を描いてゴールに入れると黄色い歓声が上がった。
「流星ナイス」
「たくもナイスパスだった」
「俺の身長じゃ入れられねぇからなぁ」
肩を組んでいた片方の腕を離し、俺の頭を撫でた。
クスッと笑う。
「確かに。言っちゃ悪いけどたくは小学校の時から伸びてないよなあ」
「それは言いすぎだろ」
「まぁ陸上始めて筋肉付けたせいかね」
気にしないようにしていが、幼なじみにそう言われるとついつい自身の筋肉を見てしまう。
流星にだって筋肉は付いているのに、どうして俺の身長は伸びないのか。
「いいんじゃない?気にしなくても。…なんつーか…かわいいじゃん?」
「なんだよ今の間は!しかも男がかわいい言われて嬉しいと思うかー?」
「ははは。でも可愛い方が彼は嬉しいのかもよ」
「彼?」
苦笑いしながら俺の肩を叩いた流星の指さす先には怖い顔でこっちを見ている星野がいた。
「あーあ、俺、たくの彼氏怒らせちゃったかもなぁー。逃げよ」
「あっ、流星!」
ズカズカと大股でこちらに向かって歩いてくる星野を見ると、俺の腕をするりと抜けて、友達の方へ行ってしまった。
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