｢たく…良いの？｣ ｢あー…やだけど…なんかそんな顔した流星見たこと無いし。可哀想だから。今更恥ずかしいことなんてないだろ｣ ｢よしよし。じゃあ明日の放課後４人でセッ…むぐっ｣ ｢彩は１回黙れ！！｣ 公共の場で発する必要のないような単語が彩の口から出てきたので慌てて手で抑えた。 ｢それにさ、お前らもだって思うと覚悟決まるし｣ ｢覚悟？｣ ｢だから流星達がするなら、俺が恥ずかしいからって避けられないなって｣ ｢匠が嫌ならしないけど？｣ ｢……彩…｣ 『嫌じゃない』なんて恥ずかしくて言えない。彩の瞳はその言葉を待っているかのようにキラキラしている。 ｢彩お前ふざけてるとシバく｣ ｢ふふーん。匠より俺の方が力強いもんねー｣ ｢…だから、草野も遠慮すんなよ。あ、けど着替えとか忘れるな｣ ｢あっ、うん…。よろしく…｣ ずっと俯いて、珍しく言葉を発しなかった草野に声をかけると、目を合わせてはくれなかったがよろしくと言ったからには覚悟が決まっているのだろう。赤い顔に、草野も俺と同じで恥ずかしかったんだとわかった。 ｢じゃあ俺達は駅の方行くから｣ ｢えっ、たくは？一緒に帰らないの？｣ ｢俺は彩と駅まで一緒に行くから｣ ｢そっか。じゃあ明日ね｣