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第35話

俺は洋食ということを頭の端に置きつつも、いつものようにサクサクと料理を進める。 自分の作業に没頭していたからか、あまり草野のことに気を止めていられなかったし、あいつだってそうだろう。 気がついた頃には草野も俺も料理を完成させていた。 俺はコンソメをベースにした玉ねぎと卵の入ったスープと、野菜たっぷりのサラダ、草野は予定通り綺麗に盛り付けられたペペロンチーノをテーブルに並べた。 「よし」 「いいね。やっぱり紀田は手際いいね」 「そうか?草野もちゃっちゃと作っちゃうし、ほんとにこれ作り慣れてるんだな。ソースとか市販の使わないみたいだし」 「流星の好みの味を追求したら、市販の使えなくなっちゃったんだよねぇ」 「あー…お前そんなに手料理食わせてんのか?…付き合い結構長かったりする?」 俺も彩に作ってあげた方がいいのかなぁ…。 「うーん…付き合い始めたのは一ヶ月前くらいからかな。でも付き合う前からご飯は食べさせてたから…」 「ふぅーん…にしてもあいつら遅いな。何やってんだか。俺、呼んでくる」 「あっ、待って。俺が」 椅子から立ち上がると、草野に自分が呼ぶと止められた。 すぐさま草野は携帯を取り出し、何やら打ち込んだ。 携帯はすぐに返信の知らせを鳴らす。 「すぐ戻るって」 「お前ら同じ家にいても携帯で連絡取るのか…?」 呆れたような声を出してしまって、咄嗟に目を逸らした。少し言い過ぎたか? 「あっ、普段はそんなことしないけど。…ほら、お取り込み中だったら申し訳ないなぁって」 「草野はほんとに気が利くんだなぁ…」

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