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第37話
「…美味しい…」
流星のその言葉に、草野はぱぁっと明るい表情になる。
恋する乙女の表情だ。
…って、俺たちの方が付き合い短いってぇのに!なんだこれなんだこれ!!
…もしかして本当に俺は彩のこと好きになりきれてないのか…。
「よかったな、草野。流星喜んでくれて」
「うん…よかった」
「もう何回も食べてるのに、全然飽きないんだよなぁ…」
「オラ、彩もなんか感想言えや!」
「うまーい!!!!!ごちそうさま!」
もう少し雰囲気出せないのかとため息の一つでも出そうな所だったが、完食しきっていた彩はフォークとスプーンを皿の上に揃えて置くと手を揃えた。
「あっ、片付けは俺と流星くんでやるからね!」
「え!?そんなの申し訳ないよ!」
俺は草野は日本の武士の妻代表かと突っ込みたくなった。片付けしてくれるなら有難いし、むしろ洗えって押し付けようと思っていたから手間が省けた。
「そうだよ。俺達でやるって」
「じゃあ…お願いします…」
馬鹿みたいな速さで完食したのは彩だけで、彩はソファに腰掛けてテレビをつけたが、俺たち3人はまだ食事をしている。
2人の甘い空気に飲み込まれそうだった俺は、彩がガヤガヤしチャンネルにしてくれたので少し感謝した。
「そう言えば、草野と流星ってどこで知り合うんだよ?お前らクラス一緒になったこと無くね?部活だって違うし…」
「俺はともかく流星は有名じゃない?かっこいいし…」
「ちょっ、やめろよ…恥ずかしい…」
「だって…」
「いやこっちが一番恥ずかしいわ!!!」
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