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第43話
「じゃあはい。まずはこれね、流星くんも取って」
「…おう」
何やら鞄から箱を取り出して開けると、流星にその箱を向けた。流星はおずおずとそれに手を伸ばして中からそれを取り出した。
「これからは流星くん達は流星くん達で買ってよね。俺びっくりしたわ、思ったより高くて」
「こ、コンドーム…」
流星が取り出したそれを見て、真っ赤になる草野と、対照的な彩。
「うん、大事だよね、ゴム。普通に流星くんにゴム渡しちゃったけど、そっちは草野じゃなくていいの?」
「え?」
「だから、挿れる方は流星くんでいいの?って。そっちはちゃんと話し合ったわけ?」
「おいおい。こっちだって話し合いしてねぇよ!」
どうやら挿れる方の人間がコンドームを付けるらしい。彩が袋を開けているところを見ると、自分が挿れる側だと思っているようだ。
「だって匠は俺に挿れたい?」
「は?」
「俺は匠に挿れたい。それにさ、俺がかわいい声でヨガってるところ見たい?まぁ俺だから何でも似合うと思うけどさ。挿れられる方はしんどいらしいけど、俺、彩なら世界一大事にするし、その辺心配ないから」
「…いや、お前でいいよ」
「はい、決まり。で、流星草野カップルは決まった?」
結局俺が受け入れる側に決まり、流星達に目を向けると未だ話し合いは進んでいないようで、2人とも気恥しそうに顔を背けている。
「じゃあ挙手!彼氏のかわいい顔を見たい人!」
「…」
「えっ」
無言で流星がスッと手を挙げて、草野が驚きつつも嬉しいのか、流星と繋いでいた手(ラブラブかよ)を絡ませている。
「じゃあ決まりね。で、流星くん先にゴムの使い方教えておいたけども大丈夫?」
「多分…」
「おっけー。2人とも保健の授業で習ったっしょ?男同士だと病気になりやすいからちゃんとゴムしてねー。まぁ匠は俺としかセックスしないから大丈夫」
「おい彩…」
さっきから彩が顔色一つ変えずにそういう発言ばかりしていて、さすがに俺も恥ずかしい。
「はいはい。恥ずかしがってる匠くんもかわいいけど、準備大変だからちょっと待ってねー。流星くん草野に教えられる?あれ」
「…いや、…わかった」
「俺が彼氏に教えるよりいいでしょ。あ、彩の家の風呂場借りられる?」
「あー…別にいいけど…」
「良し。じゃあ、流星くん達は風呂場ね。終わったあとにも入るんだから、綺麗にしといてよ。で、俺達は便所な」
「はあ?」
よくわからないまま、色んなものを彩が準備して連れ出された。
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