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第48話

「え、ねぇ酷くない!?俺が気持ち悪いわけじゃないよね!?」 やたらと騒いでいるが、指だけは冷静に動いている。 騒いでいる本人とは別の誰かに入れられているような気持ちになる。 さっきまで恥ずかしいとかなんとか言っていたが、顔が見たくてしょうがない。 …顔が…みたい…。 「…匠…」 「手を…」 「ん?」 「手を…繋いでいて欲しい…」 「こっち?」 中で動いている反対側の手を出させると、普段はしないというくらいの早さで鷲掴みにした。 「大丈夫…もうすぐ…」 「…え?…」 「さっき匠が入れられる方は気持ちよく無いとか言ってたけど、気持ちいい場所もあるんだ」 「気持ちいい…場所」 「調べたから合ってると思う。たぶんこの辺り」 中の指がただ広げながら進むという動きだったのが、何かを探すようにゆっくりと進む。 ほんとにこんなので気持ちよくなれるのかと不安に思ったその時だった。 何かに当たる、彩の指。 先程の気持ち悪さから一転して射精感に襲われる。 「ここ?」 「ちょっと…待てよ。なんだこれ…。何した…」 「何にもしてないって。ここ気持ちいいの?すごいちんこ勃ってるけど」 「っ…ぅ」 早く指を離してほしいのに、俺の気持ちとは反対に彩の指はそこを集中して指の平を当ててくる。声が出てしまいそうだ。苦しい。 「ん?ねぇ今お風呂場から叫び声したけど、聞こえた?」 「さけ…び?」 こちとら余裕が無いのに。きっと彩はニヤニヤしながら指を動かしている。 楽しんでくれてるのならいいが、俺ばかりこんな恥ずかしい思いをしているのが気に食わない。 「あっちも気持ちいい感じになっちゃってるのかなー。草野くんすげえ声出てたけど」

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