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第51話
俺は大人しく彩の言う通りにすることにした。
「匠、いい子いい子ー」
「…っ、さっさとしろよ」
「はいはい」
隣の浴室の水音が止まった。
2人もこんなことしたんだろうか。
これ、彩のこと好きじゃなかったら普通に苦痛だ。好きだから我慢出来るんだ…。
そこまで考えて恥ずかしくなった。
「隣の2人終わったみたいだし、お風呂で洗おうか」
「…ん」
用意してあったであろうバスタオルを頭からかけられ裸のままで抱き上げられた。
「あっ、星野!俺たち先に部屋戻ってるな」
「おけおけー。こっちもすぐ行くー」
トイレから出ると隣から流星たちが出てきたようで彩と会話を交わすと俺の部屋へと足音が過ぎていった。
「ごめんな。匠にこんなことして」
「別に。むしろ彩に俺がこんな用意するほうが嫌だ」
「あー…ほんとごめん」
俺の言い方がやたらとつっけんどんだったからか怒っていると思ったようで、謝られた。
「怒ってない。ただ、彩には綺麗なままでいて欲しいから、そう思っただけ」
「えっ!?あっ、そーゆー…?んんん?」
彩にしては以外だが、『綺麗』という単語に反応したようで照れているのかシャワーを動かす手、俺の肌に触れる手が少し荒くなる。
「なっ、なんかめっちゃ照れるんですけどー」
「うん。照れてる彩もかわいい」
「はっ!?あーもうなにー!おかしくなりそう!誰だよもうそんなこと言うの!匠かよ!」
ひとりでシャワーの音を遮って叫んでいる。
こんなかわいいならこの先されることの予想は付いているが、何をされてもかわいいと思える。
「もう速攻ベッド連れてっちゃうんだからね!ガンガンに匠鳴かせてやるんだからね!」
急にシャワーを止めるとパタパタとタオルで優しく俺の肌を拭いた。
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