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第57話

しかしそれは一瞬で。 「ごめん…匠」 甘い雰囲気はすぐに消えて、ただ欲をぶつけてくる彩がいた。 ひとしきりキスをした。購入していた液体を掌で温めると俺の足を持ち上げた。 「指、いれるよ」 「ちょっ、待っ…た…あやっ!」 「我慢無理だわ…」 「うっ…」 指なんて入れられたことない場所。あ、いやさっきも入れられたか。 でもあの時は無我夢中で、中に入ってきた指がどうこうというより、…伝え方が難しいが排便感の方が大きくて気にしている余裕が無かった。 でも今は出そうというのは無くて、さっきの行為のおかげだろうがその心配がないのは有難い。…が、すごく変な感じがする。 息がうまく吸えない。 「あっ、ううう…」 「…なるべくゆっくり動かすから…もうちょっと…」 「んあっ…あっ、彩…」 「ここだよね…」 「やだ…やだ…うう」 視界が揺らいでいる中で真剣な表情の彩が映る。 先程も触られた前立腺という所をまた触れられて、違う意味で出そうになる。 もっと触ってほしいような、嫌なような。 「そろそろ…いけるかな。さっき慣らしておいてよかったね…」 そういうと指を抜き、袋を開けて自身にコンドームを付ける。 俺は指が抜かれたことで空気が入ってきて、変に高ぶった下半身が冷静になる。 「彩」 「ん?」 「すげえ痛い」 コンドームを装着すると俺の方を向く。 「え?怒ってる?あれ?」 「痛いのは嫌だ」 「優しくする」 「お前馬鹿みたいにガツガツすんのやめろ」 「あーはいはい。入れまーす」 俺の説教モードに気づくとササっと俺の左足を上げて自分の肩にかける。 「うわっ、バカ彩」 「匠だから許すんだからね。そんな可愛げのないこと最中に言わないの」 「んんッ」 「可愛く鳴いて」 耳元で彩が囁くと、同時に腰を揺らし始めた。

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