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第12話※

頭がクラクラする。熱くて仕方ない。 勝手に呼吸が荒くなって涙が止まらない。 次々と流れてくるそれをロイさんは親指の腹で拭った。 その刺激すら今は辛い。 「ん、いい匂い……」 「ぁ……ぅ、や…」 首筋に鼻を埋められるとゾクゾクとした刺激が背中まで駆け抜けた。 「さっきよりずっと匂いが強くなったね」 ロイさんは楽しそうにクスクスと笑みをこぼしているが、こちらはそれどころじゃない。 「辛いでしょ。アッシュ君ちゃんとしたヒート来てないもんね?これがオメガのヒートだよ。ちゃんと感じて」 「なん……なんで……ァ、」 昨日までと全然違う。体が言うことをきかない。 ――熱い。 「お願い聞いてくれるなら助けてあげる」 「……ァ……っ!」 ボソリとそう告げた後で耳に舌を這わされると抑えきれずに声が漏れた。 「おねが、おねが……い」 お願い……ロイさんのお願い。お願いって、何だっけ。 ただただ熱くて頭が回らない。 ぼーっとしていると耳元で囁かれた。 「首輪(これ)、僕の前では外して。嫌なら、このまま番になろうか」 「や……ぁ、ァだめ……くび、やめて……」 それはお願いって言わない、と回らない頭で何処か遠く考えるが首を食まれて言葉に出来ない。 危険信号だけではないゾクゾクとした感覚がじわじわと広がっていく。これは、良くない……。 「ほら、どっち?」 「うぅ……ぁ、」 ロイさんアルファの圧がどんどん強くなる。 もう掴まっているのも辛くて殆どもたれるようにしてロイさんに寄りかかった。 アツシを抱えるようにしながらロイさんはその様子を楽しそうに眺めている。 「わか、わかった…ぁ……はずすから……っも、やめて……」 自分が自分じゃなくなりそうで怖い。 アツシは強すぎる快感から逃れる為にコクコクと何度も頷いた。 「約束ね」 ニコリと笑うとロイさんはアツシの唇に自分の唇を重ねる。 「……んぅ、」 くちゅりと舌を絡めると何か錠剤のようなものを押し込まれた。 1度口を離すとロイさんは棚に置いてあったペットボトルに口をつけ、そのままもう一度唇を重ねる。 体温が高いからか、触れた唇も流れてきた水もヒヤリと冷たく感じる。 一体なんなのかよく分からないながらも無意識にそれを飲み込んだ。 喉を伝い、胃の内側へ落ちていくのを感じるが絡んだ舌は離れない。 それどころかどんどん奥へと絡んでいく。 「ン、ふぁ……っ」 息苦しさで喘ぐとようやく唇を離された。 舌と舌の間で艶かしい糸がぷつりと切れる。 それが合図だったようで、さっきまであった重苦しい程の圧は綺麗さっぱり無くなった。 しかしだからといって熱くなった身体がすぐに戻る訳もなくアツシはガクガクと震えた。 「ふふ、辛い?」 「ぁ……っ!!」 グリッ、と腿で股間を刺激され思わず声が上がる。 「1回出そうか」 そう言うや否や、ロイさんは近くの棚に半分乗り上げるようにしてアツシを押し付けるとスボンのファスナーを下ろした。 そこから手を差し込みペニスを直接握り込む。 「ァ……ぁ!」 半分程兆し始めていたそれに触れられ、思わず腰が逃げるが後ろの棚にぶつかってガタンを音を立てただけだった。 「ぁ、ァ……や、ロイさ、…っ!」 「気持ちイイ?」 「ひ、あぁ!!……ンぁ!」 次第にカウパーが溢れ始め、くちゅくちゅと卑猥な音が響く。 すぐに達しそうな程の刺激に思わず目の前の首にしがみつく。 しかし途中で何を思ったのか、ゆるゆるとした刺激に変えられた。 「…ァ……っ、なんで……っ」 「んー、なんか惜しくなっちゃって」 耳元でイきたい?と聞かれコクコクと頷くが、それには応えず耳を甘噛みされた。 「……ぁ、あ……っ!」 「ふふ、自分で腰動いてるよ」 「うぅ……とま、んなぃ……」 見れば確かに腰をロイさんの方へ押し付けている。 止めようと思っても一度刺激してしまうと自分ではコントロール出来なくなっていた。 そのことにショックを受け、ぐすぐすと泣き出すとロイさんはニタリと人の悪い笑みを浮かべた。 「でも気持ちイイんだ?」 「……ン、あ、ァ……っ……!」 もう出したいという事しか考えられなくて目の前の首にしがみつく。 「……ろ、いさん……出した、い…」 「ん、いいよ」 「ぁ……っ!あぁ!!」 グリグリと先端だけを擦るようにして扱かれると殆ど泣き声のような嬌声が上がった。 鈴口に指を入れる勢いで押されると勢いよく吐精する。 「ぁ……っァ……」 「……出せたけど、まだ治んないね」 ロイさんの言う通り出したばかりだというのに既に芯を持ち始めていた。 しかも今まで疼いたことのない場所まで疼き始める。 ――奥が熱い 触られているのは前なのに奥が熱くて仕方なかった。 今までこんなこと無かった。自身の変化に動揺を隠しきれずアツシは思わず口元に手の甲を当てた。 「後ろ……熱いの?」 「……ぁ、」 それに気づいたロイさんが股の間からするりと後ろへ手を伸ばす。 途端に怖くなって押し退けようと暴れるが全く歯が立たない。 それどころかくるりと後ろ向きにされるとそのまま棚に押し付けられた。 「や、まっ……てロイさ、やだ……っ」 ズボンをずらされ完全に外気へ晒される。 「大丈夫、イかせるだけだから」 「……ぁ、」 あやす様に囁くと首元へ唇を寄せ、何度もキスを落とす。 それに気を取られている間にそっと指先を埋められた。

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