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第38話※

※1話目に番外編 バレンタイン話掲載中! 「ん、そこ吸って」 竿部分に当たるところを食んでいると声を掛けられたので横からちゅうっと布越しに吸い上げる。 「いい子……脱がせて」 ロイさんはするりと頬を撫でると次のことを指示した。 スウェットなのでゴム部分の下ろせばいいだけだ。 そっと下ろすとロイさんのペニスが顔を出す。 改めて見ると大分凶器だな。 どう見ても自身のものより大きなそれは今は先端が赤く熟れている。 こんなのが自分の中に入ってたのかと思うと青くなるやら恥ずかしくて赤くなるやら。 思わず1人で百面相しているとクスクスと笑われた。 「見てばっかりいないで舐めてくれる?」 そうは言われても何となく躊躇するものがある。 思わず固まるとロイさんはそっとアツシの頬に触れた。 「じゃあ練習しようか――お口開けて」 怪我していない方の人差し指を差し出される。 指の先がふにっと唇に押し付けられた。 「何する……っンぁ……」 「ちゃんと上手に出来るように練習だよ」 そう言ってロイさんは口に入れた指で上顎を撫でるようにスリスリとなぞる。 びっくりして口を閉じるが勿論閉まらない。 指を噛みそうになって慌てて力を緩めた。 「ほら、舐めてみて。分からなかったらいつも僕がやるようにやってみて」 舐めてみてと言われても既に口の中に突っ込まれた後だ。仕方なく入れられた指をちろりと舐めた。 「上手……舌使ってなぞって……そう、吸って」 根元から途中の関節部分までなぞり、そこから舌と上顎を使って吸い上げるとじゅっ、と耳に濡れた音が響く。 何度かそれを繰り返していると指を2本、3本と増やされる。 「……ン、ふ……」 指の数が増えると必然的に口を大きく開けなくてはいけなくなり声が漏れだした。 「……っは、ふ……」 大きく開けるのが辛い。 苦しくてロイさんを見上げるとじっとこちらを見ていたロイさんと目が合う。 猫を撫でるかのように上顎を指で擦られると思わず息が漏れた。 「ふ……っはぁ……」 「ちゃんと鼻で息して?」 苦しくなっちゃうよ、と優しく諭される。分かってはいるが慣れないせいか、つい息を止めてしまう。 そのせいで苦しくなって思わず涙が滲んだ。 「先端舐めて……そのまま吸って」 爪と肉の間を舐めると爪の硬い感触が当たる。 舌触りが気持ちよくて何度も往復するとロイさんの指がぴくりと動いた。 それを覆うようにして指を吸い上げる。 じゅっ、じゅっと音が鳴るのが卑猥だ。 「ン……ふ……」 「アッシュくん、そのまま奥まで咥えられる?」 「んむ……っ、」 少し苦しいけれど咥えられる。 普段ならこんなに大口を開けて食べ物を口に入れるのは苦手だと言うのにロイさんの指は自然とえずかない。 気分が高揚しているせいだろうか。 ――指、長いな。 喉奥に咥えると指の長さが際立つ。 少しだけ節くれだっているが、すらりと長い綺麗な指だ。手の甲に綺麗な筋が見える。 その筋の動きを目で追うようにして舐めしゃぶる。 何だか頭がふわふわしてきて溶けそうだ。 「なぞって……そ、上手」 頭を撫でられるのが気持ちいい。 そのまま頬まで撫でられると顎の辺りを指で擽られた。 普段のロイさんなら絶対そんなことはしないスキンシップに胸がきゅうっと締め付けられるような感覚を覚える。 ――なんか、今日ホントに変だ。 撫でられるのが嬉しいだなんて。 いつもなら、こんなことは思わない。 「出し入れして……」 「ン……っ、…は……っ」 口の中が熱い。ロイさんの指が段々アツシの口の温度に馴染んでくるのが分かる。呼吸を整えるために口を離すとその熱さをことさら感じる。 「ふ…ァ……っ」 時折、ロイさんが悪戯に上顎をなぞったり舌を指で挟み込むようにしてくる。クチュクチュと卑猥な音を立てるそれがゾクゾクして気持ちいい。 口を開けたままにしているせいで飲み込みきれない唾液が顎を伝って落ちていった。 普通なら気持ち悪くなるはずのそれすら興奮材料になって息が上がっていく。 「……ん、……っんは……っ」 「……も、いいよ」 その波を追うようにして夢中になって出し入れしているうちに指を引き抜かれた。 「……ァ、」 そんなつもりはないのにもの惜しげな声が漏れる。 はぁはぁと肩で息を吐きながらぼうっと引き抜かれた指を目で追っていると、上気した顔のロイさんは自身の指をぺろりと舐めた。 その仕草にどきりと胸が鳴る。 「練習はおしまい。じゃあ本番ね」 そう言ってロイさんがよく見えるようにか、シャツをするりと片手で上へ上げる。するとおへその所にキラリと光るものが見えた。

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