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第40話※
「ンぶ……っぐ……、」
さっきまでとは全然違う。喉奥まで入れられると息が出来ない。口を限界まで開けているので顎が痛い。思わず涙が込み上げると高揚したようなため息が聞こえた。
――苦しい。
何とか離れようと躍起になるが頭を掴んで戻されてしまう。
「ん、ちょっとだけ我慢して……鼻で息しててね」
それだけ言うと先程よりもピストンが速くなる。
ぐぽっぐぽっ、と喉の奥から形容しがたい音が鳴った。
何これなに、これ……っ!
苦しくて唇に力を入れるからか、カウパーなのか唾液なのか分からないものが顎を伝っていく。
苦しくてロイさんを見上げると予想外の表情で思わず目を見開いた。
頬は蒸気して、目元もいつもよりとろりと溶けている。
体温が上がってきているからか、額に汗が浮いていた。
はっ、はっと小さく呼吸する度に薄い唇の間から赤い舌が見え隠れする。
目が合うと弧を描くようにして笑みを浮かべながらチロリと下唇を舐めたのが見えた。
細められた瞳には明らかな快楽の色が映っている。
発情ラット状態じゃないのが不思議なくらいだ。
「……っ、」
カアッ、と頬が染まり体温が一気に上がっていくのが分かった。
恥ずかしさにも似たその感情がなんなのか分からないまま、じわじわと涙だけがせり上がってくる。
――どうしよう、咥えてるだけなのに勃ちそう……っ、
もじもじと無意識に膝を擦り合わせる。
それをこの人が見落とす訳もなく、すかさず足でグリグリと股間を刺激された。
「ふ……っ、んぐ……、っ!!」
「はは、アッシュくんのも勃ってきてるね。……僕の咥えてるだけで勃っちゃったの?」
「んっ、ンん゛……っ!」
器用に足の指とその付け根を使って揉みこんでくる。
感じると思わず喉奥を絞めてしまい、それにロイさんが味をしめたのか何度も執拗に責められる。
「ほら、動くの忘れてるよ」
「んぶ……ぁ……っ」
ピストンされながらぐぽぐぽと音が鳴り続ける。
時折喉奥にぶつかってぶちゅっ、と音が鳴ると苦しくてむせ込んだ。
それでも止まれないのか、ロイさんは何度も腰を動かしながらアツシの頭を押さえつけた。
そのうち咥えているペニスがヒクヒクと痙攣しだす。
あぁ、イキそうなんだなと思うのと同時に喉奥に直接熱いものが注がれた。
「ん、出る……っ」
「が……っ」
飲み込む動作もなく流れていく精液が気管にも入り込んでアツシは盛大にむせ込んだ。
「げほ……っげほ、の……のどが……っ」
馬鹿みたいに喉が痛い。
苦しさから涙がボタボタと落ちてくる。
気管にまで入りそうなそれを懸命に押し出そうと何度もむせ込むとようやく充分な息を吸えるようになった。
――く、苦しかった。
「よく出来ました」
ロイさんはというと、満足したのか目元を細めて笑う。
優しく撫でられ何だかむず痒いような気持ちが再び降って湧いた。思わず目を逸らすとクスクスと笑われる。
何だか居た堪れない。
目を逸らしたまま口元を拭っていると突然片腕を引っ張られベッドへと引き上げられた。
「わ……っ、」
「お礼に抜いてあげる」
「い、いいで……ひっァ、」
痛みで萎えたそこをムニムニと触られ思わずひきつった声が漏れた。
「あんまり手使えないからそこに手をついてこっち向いて」
そこ、とはロイさんの後ろにあるヘッドボードのところだ。つまり彼の前に膝立ちで立てということだろう。
「いいですってば!」
恥ずかしくて真っ赤になって眉根を寄せる。
しかしロイさんはその気になっているのか、グリグリと股間を執拗に触られる。しかもそれが上手いのだから当然、触られ続ければ勃ち上がってきてしまう。
「や……ぅ、」
「ほら早く」
引ける腰を怪我した方の手で後ろから押さえつけられ快感からも逃げられない。
そのうち段々アツシの方が我慢出来なくなってしまい、結局言われた通りロイさんの前に膝立ちになってズボンを寛げることになった。
我ながら本当に流されやすい。
「服、邪魔だから咥えててね」
そう言うとロイさんはアツシのシャツを口元へとたくし上げる。
何か言おうと口を開いたが、声を出す前に無理やり口元に突っ込まれて仕方なく頷いた。
それを満足そうに見つめると、アツシのパンツ越しにペニスへと触れる。
「……ん、」
ゆるゆると竿部分を扱かれる。
時折たま部分にも手をかけると持ち上げるようにして優しく揉まれた。
案外それが気持ちいい。
そうして暫くゆるゆるとした刺激を加えていると、そのうちロイさんは先端部にもそっと触れる。
「ぬるぬるだね」
中指の腹で撫でるように触れながらロイさんがこちらを見上げた。
まるで責められているような気がして思わず目線をそらすが、すぐに片手で戻される。
「ちゃんと見てて」
そう言うと今度はパンツをおろし、さっきまで触れていた竿部分を直接扱きだす。
「ひ、ン……っ、」
たま部分に舌を這わせられてびくりと腰が震えた。
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