73 / 106
第73話
「……そういう言い方しないで下さい」
「じゃあどう言えって言うの」
明らかにイライラした様子のロイさんにアツシもムキになった。
「……っ、もうロイさんには外したくないです!!」
途端、今までにないくらい暴力的なまでのフェロモンが香る。肺が焼けるように熱い。
「ぁ゛……ぐ……っ、」
「許さないから」
ソファに引き倒され、上から地を這うような声が聞こえる。
しかしアツシは苦しくてそれどころじゃない。
息が上手く吸えない。
――苦しい。
「あぁ……ァ゛……っ!!」
頭が沸騰したようにクラクラする。
熱い。肺も身体の奥も熱くて堪らない。
苦しさからか、涙が止めどなく溢れてくる。
「ぁ、や……っ、」
アツシがヒートを起こしたのだからロイさんだって辛いはずだ。
見上げたロイさんの目が据わっていたがそれでもアツシに尋ね続ける。
「なんで外したくないの」
「や、ァう……ぁ、」
「なんで」
そんなこと言われてももう言葉にする余裕が無い。
「やだぁ……っ、」
「……っち、」
舌打ちをしたロイさんはアツシのシャツを強引に引きちぎる。
――ブチブチ……ッ!!
嫌な音を立ててボタンが床に飛んだ。
さすがにそこまでされるとは思っていなかった。苦しくてうまく言葉に出せずにいるうちにロイさんは晒したアツシの首筋に噛み付くようなキスを送る。
「ンん……っぁ!」
吸い付きながらも右手は胸の突起をグリグリと押し潰した。
反対の手では引っ掻く様にして弾かれる。
左右の違う動きに翻弄されて口が閉じれない。
イヤイヤと首を振るとアツシの股間を撫で擦る。
少しの刺激だが過敏になった身体はビクンと跳ねた。
「……っも、やめてくださ……ァ、」
「やだ」
ボソボソと口の中だけで「かえる」と呟くとジーンズに手をかけながらロイさんがアツシの耳元で囁く。
「帰さないよ」
そのまま耳の中に舌を差し入れグチュグチュと卑猥な音を立てられる。
耳の中で反響するようなそれに耐えられずに抵抗すると更に上からフェロモンで押さえつけられた。
「い……っぁ゛……っ、!!」
苦しい。
触れられて嬉しいのに同じ気持ちじゃなくて悲しい。
身体はどんどん熱を帯びていくのに心は冷えたままだ。
色んな気持ちが綯い交ぜになって涙が止まらない。
腕で顔を覆ってグズグズと泣くとその手を掴まれた。
「こっち見なよ」
それでも首を振って見ないでいるとロイさんは諦めたのかそのまま秘部に指を宛てがう。
触れられただけなのに入口がヒクつくのが分かる。
零れ始めた体液を中に塗りたくるようにしてゆっくりと周りを解された。
「……っふ、」
広げるようにして伸ばしながら下にも手を伸ばす。
グチグチと先端を擦られると声が抑えられない。
「あ……っぁ゛……ぅ、そこ……や……っ!」
ただでさえヒートで苦しいのに先端を抉られて腰をくねらせる。
ずりずりと這い上がるようにして逃げると腰を掴んで引き戻された。
「そんなにイイんだ」
「ん゛……ぁ、」
「でもイカせないよ」
ゴソゴソとポケットを漁る音がしたかと思うと、直接痛みが走った。
「ぃ……ッ!!」
見れば輪ゴムでキツく根元を縛り付けられている。
何重にもされた根元は真っ赤になって痛い。
「や、痛い……とって……!」
「駄目。撤回するまでイカせないから」
そう言うと中へ指を入れ込む。
押し広げられる感覚にまた涙が勝手に目尻を流れた。
暫くは伸ばすようにしながらグチグチと抜き差しをしていたが、解れて余裕が出てくると前立腺を指で刺激する。
「……っあァ!!」
何度もイイ所を刺激され、段々と中をえぐるようなズンと重い刺激に変わっていく。
――だめ、イきそう……っ、
中から指で押し込みながら、ダメ押しとばかりに上からお腹を押される。
「い゛……っぁ゛……!!」
グリグリと前立腺を刺激されてアツシはガクガクと震えたままイってしまった。
震える間もお腹を押さえつけられていて高みに昇っていくのが気持ちいい。
しかし縛られているので勿論出すことが出来ない。
すぐにまた射精感が襲ってきて悲鳴を上げた。
「あ゛……っ、ぁ……ぅ!」
「もうイッちゃったの?でもまだだよ」
そう言うと今度は2本目を挿入し、前立腺を挟むようにして撫でさする。
空いた手では真っ赤になった竿部分をゆるゆると扱いた。
くびれを回すようにして擦られると無意識に腰が上がる。
それを押さえつけて中から前立腺を揉まれてアツシはロイさんの腕をしがみついた。
「ひ゛……ぁ!!やだ……も、むりぃ……っ!」
「何言ってんの。まだ1回目でしょ」
まだダメだよと呟くとアツシの胸の突起に噛み付く。
痛いはずなのに快感を拾ってしまい、あっという間に2回目の射精感がやってくる。
「いぅ゛……っ!」
中だけで達してしまいビクン、と身体が跳ねた。
「ぁ……ッ、あァ……、」
――苦しい。イキたい。
ぐるぐると身体の中で射精感と達したはずの快感が駆け巡る。その相反する2つの波に翻弄されて体が言うことを聞かない。
喘ぐ様に呼吸をしながらロイさんに縋る。
「や、もうはずして……っ」
「だめ。言わないとイカせないって言ったでしょ」
3本目を挿入するともうその圧迫感だけで達しそうになった。
ともだちにシェアしよう!