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第74話

「あ゛ぅ……っ、」 今度はさするだけではなく何度も出し入れして前立腺を突く。 突かれる度に泣き声のような喘ぎ声が上がった。自分から出ているとは思えない声に内心動揺するがもうそんなことを気にしている余裕もない。 ――も、イキたい……っ、 「や゛ぁ……っ!はず、はずしてぇ……っ」 「だめ」 突起を唇で挟むようにして摘むとそのまま口の中で転がされる。 それに飽きてくると今度はあちこちに吸い付いた。 「ンん゛……っ!!」 暴力的なまでの刺激から逃れようと藻掻くと無理やり戻される。その拍子に身体の下半分は床へと落ちた。 いやいやと髪を振り乱しながらアツシはソファにしがみつく。 それを押さえ込むようにして上からソファへ押し付けると猛ったものがぴとりと宛てがわれた。 こんな状態で突かれたらどうなるのか分からない。 アツシは怯えて涙目のままイヤイヤと首を横に振った。 「や゛、もう……むり、やだぁ……あァっ!!」 「……っ、あっつ……」 嫌がるアツシなんてお構い無しにロイさんはぐっ、と中へと押し込んだ。 指とは比べ物にならない質量に悲鳴を上げる。無理矢理押し広げられるのが分かってビクビクと震えた。それすらも気持ちいい。 その衝撃に耐えるように背中を丸めて息を吐き出す。 唇が戦慄くのを抑えるようにきゅっと口を閉じた。 「動くよ」 「やだ、ろいさ……ぁ゛!!」 アツシの懇願には答えずロイさんは律動を始める。 内蔵が引きずり出されるような感覚に自然と声が漏れ出て止められない。 「とま……とまってぇ゛……っ、」 「……っは、無理……っ、」 熱い息を吐きながら、ロイさんはアツシの顔を後ろへ向かせ、無理矢理口付ける。 ただでさえ息が吸えないのに苦しくて仕方ない。 舌を絡め、上顎をなぞる。喉の奥を擦るように舐められ腰が重くなった。 「ふァ゛……っ!!」 「……っ、」 最奥に打ち付けられてガクガクと震えながらソファに爪を立てる。すぐ後ろからロイさんの息を詰める声が聞こえた。ぽたぽたと汗が落ちてくるがロイさんが中でイった感覚はない。 「もっと奥、入るでしょ」 「や、なに……?」 そう言ってアツシの奥にそのままじっと居座っている。 降りてきた子宮が当たる感覚が苦しい。 言っている意味が分からなくて、止まったのをいいことに息を吐き出して何とか呼吸を整える。 けれどそれを遮るように今度はぐいぐいと腰を押し付けて奥に押し込み始めた。 「え……っ?ひ、……ぁ、やだ、やめて……っ!」 なんだか分からないけれど奥が苦しくて辛い。 大体、もう奥に当たってるのにこれ以上入らない。 「今当たってるのは子宮だけど、君はその|奥《・》があるでしょ」 アツシはふと、最初に病院で見たオメガの体の構造図を思い出す。奥があるのは分かるけどそんな所入らない。 サッと血の気が引いて思わず体を引いた。 「や、やだ……やだ……っ!」 「動かないでよ」 「や、……ゔ……っ!」 嫌がるうちに床へと崩れ落ちるが、それでもアツシを横向きのまま抑えつけてロイさんが腰を押し付ける。子宮に当たる度、角度を少しずつ変えてロイさんがその奥を目指してくるのが分かった。 苦しいのもそうだが未知の領域に入ってこようとするのが何より1番怖い。 ロイさん自身も達してなくて苦しいのだろう。表情が歪んでいるのにやめようとしない。 そのうちゆっくりと仰向けに寝転がされる。 さっきまで離れたくて暴れたくせに、それがなんだか引き離されるように感じて思わずその腕に縋り付く。 するとアツシの頬へ手を伸ばしたロイさんは快楽で歪んだ表情のままこちらへ微笑みかけた。 「や、やだ……っこわ、ぃ……っ!」 「……っ奥も、頂戴」 根元までぐっと押し付けると子宮を通り過ぎてその|奥《・》が開いたのが感覚で伝わってきた。 瞬間、今までにないほどの快感が押し寄せてくる。 「や……っぁ゛……っ!!」 とんでもない衝撃に押されるようにしてまたガクガクと腰が揺れる。痛かったのは一瞬だけで開いてしまえば痛みを遥かに凌駕する快感だけがアツシを襲う。 それなのに縛られたままではちゃんとイケなくて開いたままの口からは言葉にならない声がこぼれ落ちた。 「……っぁ、あぁ……ひっ……」 「……っ、」 「……っぁ゛……っ!!」 ロイさんの表情が快楽で歪む。 流れてくる汗すらも敏感になった肌は快感として捉えてしまう。快感に身体が追いつかずビクンとはねた。 それを止めようとしがみつくとロイさんはアツシの膝を抱え直す。 「ひ……っあ゛ぁ!!だめぇ……っ!!」 「……っ、」 何も言わずロイさんは腰をグラインドさせる。 推し開かれた奥は揺すられても尚離さないとばかりにロイさんのモノに吸い付いているのが分かった。 何度も何度も、ピストンする度に奥を突かれてもう何も考えられない。 「あ゛ぁあ……っ!!」 口の端からはだらし無く唾液がこぼれ落ちる。 それを舐めとるように顎に舌を這わせるとそのままロイさんは深く口付けた。 アツシの舌先に吸い付きながらゆるゆると腰を押し付けるようにして奥に押し込んでくる。 その度に奥と共に子宮の入口が擦られて訳が分からなくなる。 「……ぁ……っ、や゛ぁあっ!!」 思考が途切れて深く考えられない。モヤがかかったように視界が霞んでいく。何度も達しているのに1度も出せてないのだ。体はもう限界を越えている。 「い゛……ぁッ!!」 ガクガクと腰を揺らしながらもその衝撃でアツシの意識は落ちていった。

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