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3想い出、作ろうよ?
放課後、教諭の吉野に言われて亮介は生徒会室へ荷物を置きに行った。
来週から始まる文化祭の前で生徒会執行部は忙しそうにしている。亮介は直接関わり合いはないが、和輝が副会長なので生徒会室にいる様な気がしてならない。
扉を開けるといつもなら誰かいるのに、人っ子一人居ない。時計は18時を指している。
(まだ早いのにな…)
まあいいか、と荷物を机の上に置きいつもあまりこない生徒会室を見回す。
そういえば今回で最後の文化祭か、とふと亮介は机にあるパンフレットを見て気づく。
高校を出てしまったらもう慎吾と逢うこともない。告白するなら今のタイミングなのだろか。
(ただ、告白してどうする?付き合ってどうする?その先は?)
明確なビジョンが見えないのも亮介の悩みだ。
(そもそも本当に俺は慎吾が「好き」なのか?)
そんなことさえ思えてくる。
ふいにカシャン、と音が背後で聞こえ慌てて振り向く。
「あれ?亮介じゃん。何してんの」
大きな模造紙を抱えた和輝が扉の前にいた。
「吉野にそこの荷物持って行けって言われてさ…」
早く帰っておけば良かったと少し後悔しつつ、亮介は答える。
「あ、これ、俺が取りに行こうと思ってたんだよね。サンキュ」
模造紙を机に置き背伸びする和輝。
「そういやパンフレット出来上がったの、見た?」
「うん。これだろ?もう最後なんだな」
パンフレットを手に取りパラパラとめくる。
「そうだね、最後だよね」
ふと亮介が顔を上げると真横に和輝の端正な顔があった。
「お、おまえっ、近いよ」
「何、照れてくれてるのー、嬉しいなあ」
フフッと和輝は笑いながら亮介ににじり寄る。
「どうせなら、最後に想い出作っとこうよ。生徒会室でさ」
亮介がえっ、と顔を向けようとした時。和輝がうなじを舐めた。
「何すんだよっ」
そのまま机に押し倒すような格好で和輝は亮介の体にのしかかる。
亮介の非難の声も聞かず、うなじと耳たぶをゆっくりと舐めていく。
いつものちょっかいと違う和輝の悪戯に、亮介が慌てていると和輝は右手でスボンの上から亮介の股間を弄ってきた。
「ちょ、おいッ」
触られるだけなら何の反応も起きないが、うなじと耳たぶを舐められては反応しないわけがない。
それをいいことに和輝は手慣れた手つきでベルトを外して手を入れていく。
「やめろって…!」
「いいから、想い出作ろーよ」
それから直接触れられて、しまいにはスボンと下着を脱がされていた。その間、和輝の手でしごかれていた。まだ人に触れられたことのない亮介はそれだけでもう息が上がる。
「や…やめッ」
「やめないよ、今やめても辛いだけでしょ」
こんなになってるのにさあ、とさらに強く早く触れていく。
「うあっ…あっ!」
喘ぐ声を抑える術もなく。
もう限界が近くなっていつのが自分でもわかる。きっと和輝にも伝わっているのだろう。
薄ら笑いをしながら耳元で和輝が呟く。
「イっちゃってよ、観ていてあげるから」
「あ…あッ…ッ…!!」
勢いよく身体が跳ねて、白濁したそれが床を汚した。
「何が、想い出だ、ばか!!」
床を掃除して身なりを整えた亮介は真っ赤になって和輝に怒鳴る。
「えー、まんざらじゃなかったじゃん」
「そんなことは断じてないから!!あんな触り方されりゃ誰でも出すわ!!」
「誰でも?ねえ、ほんとにそう思ってる?」
和輝が亮介をじっと見る。その真剣な顔に、一瞬亮介は怯んだ。
「〜〜っ!」
答えは出さず、そのまま和輝を置いて生徒会室を出て行った。
「…まあ、あと一息ってとこかな」
和輝はそう呟いた。
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