14 / 118
4月 和樹、2年B組に入る
千葉に起こされ目を覚ますと、入学式は終わってて、生徒達は各自で教室へ帰るところだった。
2Bの教室へ入ると、ひとりで席に座ってる者、何人かで喋ってる者とに分かれてた。一年から二年へ上がるときにコース変更した生徒もいるんで、俺のようなぼっちもけっこういた。
違う、千葉さんがいました。てか千葉は俺のこと何て認識してるんだろう。
俺としては同室者くらいに思ってもらえれば、幸いなんだが。
「あ、和樹じゃん。おひさ」
「住田(すみた)かー。おひさ」
住田は去年名簿が前後だったから、よく話した相手だ。ヤツはゲーマーで、新しいソフトが出るたびによく貸し借りした仲だ。
予鈴が鳴り、席に着き始める。Bクラスは基本的に真面目なヤツが多い。
寮長(ノムさん)が時間に厳しくて、そのおかげか時間を守ることが当たり前になってるのだ。
別コースからの移動組も空気を察して、それとなく従ってる。
クラス担任は、気の弱そうな三十代くらいの先生だ。てゆーか去年と同じ人。
あんまり覚えてないけど、たしか中山(なかやま)先生。
今日は今後の予定表とかのプリント配布と、明日の始業式の話で終わった。その後、俺達は各自教室を出て、それぞれ好きなように過ごした。
教室を出るときに千葉を探したが、彼はすでにどこかへ行ってしまった。
今日もぼっち飯か。
そういえば、キラキラ王子はどうしてるんだろう。ヤツはコース変更組で、話し相手がいないとか言ってたし。
俺はアドレス帳から「奥村哲也」を探して『メシ食う?』と送った。
すぐに返信が来た。
『ごめーん。先約入ってる! またね(笑)』
このリア充め!
ともだちにシェアしよう!