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4月 和樹と千葉、夜の語らい
今日も飯が終わった。
しかし今日は、他の生徒もいる時間に行ったのだ。平ちゃんもびっくりしてた。
新学期が始まって一日目。ぼっちのヤツらもたくさんいたから、案外平気だった。まぁ新入生がうじゃうじゃいて騒がしかったが。ここは養鶏場か!
食事を終え寮へと戻る。シャワーを浴びてからは、ソファーでボーッとしてた。
どうやら俺は、そのまま寝てしまったらしい。気づいたら千葉に起こされていた。
「お前ってよく寝るよな。夜ちゃんと寝れてんのか?」
「俺たくさん寝ないと、ダメなタイプなんだよねー」
「ふーん」
「……」
「……」
会話が続かねぇ。まぁ、あれだ。まだ二目目だ。ガンバレ俺。
「そういえばさ。明日って何やんの?」
千葉は聞いてなかったのかと驚いて、キチンと説明してくれた。
「始業式の後にホームルームがあって、そこで委員会とか決めるらしいぞ」
「千葉は何かやる?」
「めんどくせーよ」
「だな」
俺達はその後もポツポツと話し続け、気づけば消灯時間を過ぎてた。
俺も千葉も、話すきっかけの掴み方が苦手だったが、お互い探り探りで会話は成立してた。
てっちゃんと話したときも楽しかったが、千葉は千葉で何だか落ち着く。本当に今年は、人並みの寮生活を送れそうだ。
その後ノムさんが部屋に来て、俺も千葉もこっぴどく叱られたのは言うまでもない。
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