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5月 和樹、初めて生徒会室に入る

 俺は初めて生徒会室という所に入った。  こてつ騒動が一段落し、和やかなムードになっていた307号室。そこにバ会長がやってきて、俺と久世ちゃんを無理矢理連れ出したのだ。  去り際に見た委員長は、すっげー怒っていて、しばらく声はかけられそうにない。  辰兄は一歩下がって、俺たちを見送った。  そして、そのまま生徒会室に連行されたのである。  室内は会議室のように、長机がふたつ向かい合うように配置されている。俺と久世ちゃんは片側に座らされた。  俺たちの正面には、何と副会長さんが座っている。もう嫌な予感しかしない。  バ会長は壁にもたれかかって、にやついてる。  ドアの近くに立ってる人に見覚えはないが、ここにいるということは、彼も役員なんだろう。  今まで会った誰よりも背が高くて、色黒のがっしりした身体は何か強そうだ。  てか風紀委員の俺、超アウェイじゃん。マジで早く帰りたい。  バ会長を見ると、フッと笑ってきやがった。本っ当にムカツクあの顔。 「始めて良いかな、瀬川くん」  副会長サマが咳払いをして、俺に話しかけた。

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