51 / 118

5月 和樹vs副会長

 早くこの異空間から抜け出したい俺は、聞かれたことに素直に答えようと思う。 「どーぞ。早く進めちゃってください」  そう言うと、机の下で久世ちゃんが俺の足を踏んできた。さっきの肘打ちの仕返しか。 「今更だが自己紹介させてくれ。僕は3Aの浅井千晴だ。生徒会副会長を務めている。君は?」 「……2Bの瀬川和樹です。一応、風紀委員会ヒラです」 「ヒラ?」 「委員長と副以外の人たちですよ。で、浅井センパイは俺らに何の用ですか」  浅井センパイは俺を見て、続けた。 「裏庭での猫のことだ」 「こてつのことなら、もう解決しましたよ」 「何?」  まぁ、さっき決まったばかりのことだから、知らないのも無理はないけど。  詳しい内容は、俺の代わりに久世ちゃんが説明してくれた。  それを聞くと浅井センパイは、一気に顔色を悪くした。 「そんなことを、校長先生が納得したと思っているのか!」 「だって校長ですよ。俺よりもセンパイのが知ってるんじゃないですかー?」 「……っ」  どうやら俺の勝ちのようだ。  てか、浅井センパイがこんな顔するなんて、校長はどんなヤツなんだろう。  逆に気になってきた。

ともだちにシェアしよう!