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5月 和樹と生徒会メンバー
「話は終わったようだな」
バ会長がニヤニヤ笑いながら、近づいてきた。その顔イケメンが台無しですよ。
「てか、こんだけのために呼んだんスか。バカじゃないスか、あんた」
「誰がバカだ。せっかく魔王から助けてやったんだ。礼くらい言えよ」
「魔王って誰――あ、委員長か」
そんな俺たちの姿を見て、久世ちゃんや浅井センパイは唖然としていた。
もうひとりの色黒男は不思議そうな顔で俺を見る。
そういえば俺は、彼のことを知らない。実は久世ちゃんが何者なのかもよく知らなかった。俺は久世ちゃんに向き合い尋ねた。
「久世ちゃんてさ、生徒会で何やってんの?」
「俺は会計だよ~。もっぱら、事務仕事担当だね」
「……何か地味」
「久世は優秀だ。君のような馬鹿とは、頭の出来が違うんだよ」
と、浅井センパイ。俺はやっぱりこの人嫌い――じゃなかった、苦手だ。
そうこうしてるうちに、色黒男が俺たちに近づいてきた。
「俺は2Cの藤田大和。補佐をやってるよ」
「生徒会におけるパシリだ」
「ヒドくないですか、副会長」
浅井センパイとこの人は仲が良さげだ。色黒男は続ける。
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