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5月 和樹、恩人に感謝!

「和樹だっけ? ケータイ届いた?」 「……もしかして、見つけてくれたのってお前?」 「本当は直接渡したかったけど、抜けられない仕事があってさ。宮崎さんに頼んだんだ」  俺は色黒男改め大和の手を、両手でギュッと握った。 「ほんっとーにありがとう! マジで助かった! このご恩は一生忘れません!」 「!」 「ちょっと和樹、大和引いてるよー」  久世ちゃんに言われて、ハッと気づく。俺は慌てて手を離した。 「悪りぃ、嬉しすぎてテンション上がった」 「いや……喜んでくれて良かったよ、和樹」  大和は白い歯を見せて、ニカッと笑った。  バ会長は面白くないのか、俺に向けてグチってきた。 「おい瀬川。お前のケータイ騒ぎを、誰が解決したと思ってる。裏で手を回したのは、この俺だぞ」 「へぇ。そーですか。そもそも俺がケータイ落としたのは、生徒会長サマのせいでしょー?」  痛いところを突かれたのか、バ会長は口をつぐんだ。  その時、ガラッと音がして生徒会室と続いている、隣の部屋のドアが開いた。  そこから現れたのは、俺の恩人とも言える先輩だった。

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