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5月 千葉と哲也の密談

「つまりアイツは、風紀と生徒会のゴタゴタに巻き込まれたってことか?」 「まぁ、そーゆーことだよ。カズも大変だよねー」  お前も風紀だろ、と千葉は心の中でツッコんでおく。  哲也は飲み干した空き缶を片手に、続けた。 「生徒会は厄介な人が多いからねー。大変なことにならなきゃいいけど」 「……」  千葉の同室者は人に好かれやすい。ゆえにトラブルメーカーでもあるのだ。  今までのことを思って、千葉は深いため息を吐いた。  横にいる哲也が、幸せが逃げるよと言ってるが、聞こえないフリをした。  そのまま移動しようとしたところを止められる。 「どこ行くの千葉っちー?」 「瀬川のヤツを迎えに行く」 「止めとけって。多分大丈夫だからさ」  コイツは一体、何を知ってるんだろう。 「……ところでさ」  哲也は今までの雰囲気を一変し、声を潜めて言った。 「清水奏太(しみず そうた)って知ってる?」 「清水……?」  聞き覚えのない名に、千葉は首を傾げる。 「知らねーな。誰だそいつ」 「何でもないよー。聞いてみただけ」  哲也はそのままどこかへ行ってしまった。  取り残された千葉は、何ともいえない思いを胸に宿し、同室者を迎えに行くために生徒会室へと向かった。

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