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5月 和樹、宮崎先輩と再会
「騒がしいぞ、北村。もう少し静かに――」
「宮崎先輩!」
「……君か」
宮崎先輩は手に分厚いファイルを持っていて、突然現れた俺に驚いてるようだ。
「どうしてここに?」
「会長に拉致られたんですよ」
「人聞きの悪いこと言うなよ」
「本当じゃないスか。ねー久世ちゃん」
「……まぁ、そうですけど」
お前もかとばかりに、バ会長は久世ちゃんに絡んでいる。
その間に宮崎先輩は、生徒会室から出ようとする。それに気づいた浅井センパイが、声をかけた。
「どこへ行くんだ、翼」
「各寮長の所へ書類の催促に行く。締切が近いからな」
「俺が行きましょうか?」
すかさず大和が発言する。さすがパシリとゆーか何とゆーか。
しかしそれを宮崎先輩が遮った
。
「いや、直接話したいこともあるから俺が行く」
そう言って宮崎先輩は行ってしまった。
俺はまだ先輩との話の途中だったと思い出す。今行けば追いつけるかもしれない。
「じゃ、俺行きますんでー。それでは!」
俺は宮崎先輩に追いつくために、急ぎ足で生徒会室を後にした。
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