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6月 千葉、事の真相

 千葉は隣でジュースを飲む和樹を横目に、今朝の哲也との会話を思い出していた。  和樹と風雅がふたりで話している間、隣に座った哲也が一枚のメモを差し出したのだ。  そこには『フレッシュオレンジソーダつぶつぶ果肉入り』と書かれていた。 「何だこれ?」 「情報だよ」  怪訝な顔をする千葉に、哲也は声を潜めて告げる。 「和樹が好きなんだってさ」 「!」 「試してみなよ」  会話はそれっきりだった。  その後、なぜか千葉が怒っていると勘違いした和樹と、ギクシャクしてしまったのだ。  誤解を解きたい千葉は、歩いている途中、偶然自販機を見つけ、このメモの存在を思い出した。  ともかく誤解が解けたようでなによりだ。  それにしても、どうして哲也はことあるごとに、こんな真似をするのだろうか。

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