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6月 これってデジャブ?
「おい、深月さん放っておいていいのか?」
「大丈夫でしょ、多分」
俺らは寮に向かって歩いていた。
俺は黒猫に会いたかったが、深月センパイのセンスにびっくりして、何だか引いてしまったのだ。
「そういや千葉って、深月センパイと、いつ知り合ったんだ?」
「飯行くか、瀬川」
思いきり話をそらされた。また千葉の地雷を踏んでしまいそうだったので、俺は何も触れなかった。
「そーだな、何食う?」
俺たちが食堂に方向転換したとき、向かいからノムさんがやってきた。
「よう、和樹に陽平!」
「何スかぁ、ノムさん」
「実はな、今日は陽平に用があるんだ」
「俺ですか?」
ノムさんは千葉の正面に立って告げた。
「単刀直入に言う。お前に新歓の実行委員を任せたい」
「……は?」
俺は二ヶ月前の俺自身を見てるような気分になった。
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