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7月 隼人の誓い

「――どう思う?」  背後の男に訊く。 「アイツじゃないだろう。手口からしても」  千葉はもちろん、哲也ですら知らない相手の顔を思い出し、隼人は眉間に皺を刻む。 「あの男が戻ってくるのは?」 「そうだな……早くても後期。少なくとも今年度中には戻るだろう」 「俺たちが見ていられるのも、あと半年か」  今は七月。夏休みが空けたら三年生は本格的に受験モードに入るため、委員会といえど、深く関われないだろう。 「――辰己、あのときの俺は、間違ってはなかったよな」 「だから今、お前がここにいるんだろ。しっかりしろよ委員長。お前は何のためにここにいるんだ?」  辰己の激励に、しょぼくれていた背中を押され、本来の隼人らしさを取り戻す。 「――ああ、そうだな」  悩んでいる時間など、今の隼人には存在しない。 「俺たちの学校は、俺たちで護る」  あのとき誓った約束を、もう一度この場で強く交わした。

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