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秋 遠見 ①
正直に言えば、東に憧れていた。
東はあのままで、自然体のままで誰からも好かれ必要とされ愛される。
そんな人間がいるのだなと、遠見は東に出会って初めて思った。
東本人が何かをしてるわけではない。
周りが東を求めて、東へ話しかけ、東と関わろうとする。
東は受け身でいるだけで周りに人が集まってくる。
面倒くさい人間関係を避けるため、極力自分の意思より人の意思を尊重し、波風が立たないように常に笑顔を心がけて過ごしていた遠見には、東がいったいどんな魔法を使っているのかとすら思ってしまった。
東には勝てない。
東には敵わない。
それでいいと思っていた。
でも・・
どうしても勝ちたいと思うものができた。
どうしても譲れないと思うものができた。
例えどんな汚ない手を使っても・・
例え友達でいられなくなっても・・
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