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秋 遠見 ⑦

部屋に戻るまで二人は無言のまま歩いた。 ホテルの賑やかな雰囲気が嘘のように、二人の周りの空気は張りつめている。 部屋に入り扉を閉めると、遠見は一太の体を強くベッドの方へと押した。 一太はベッドに体を打ち付けるように倒れた。 そして遠見はそのまま一太の上へ馬乗りになった。 「遠見、ごめん、俺・・」 一太は遠見の顔を見上げて何か言おうとした。 しかし、遠見はその口を自分の口で塞ぐと荒々しく一太の服を引き上げた。 「あっ・・とお、み・・やめて」 一太は遠見の肩を両腕で押しながら、必死に抵抗した。 すると遠見は舌打ちをし、ベッド横に置いてあった制服のネクタイを取って一太の腕を後ろに縛った。 「!?え・・遠見?!」 一太は思いもよらない遠見の行動に驚いた。 後ろ手に縛られた腕を何とかはずそうともがいている。 しかし固く縛られたそれは簡単には解けなかった。 遠見は一太に馬乗りになったまま、怒りのこもった瞳で一太を見下ろしながら言った。 「梓、梓は俺のものじゃないの?俺、嬉しかったのに」 「遠見・・」 「動物園・・売店のレジに並んでるとき、俺は幸せだなって、梓のことすごく愛しいなって思ってた。なのに、その時お前は、東と会ってたの?」 「ちが・・!あれは、たまたま・・たまたまで。自販機で飲み物買ってたら話しかけられただけで・・」 「でも、その時約束したんでしょ、今日夜会うって。俺に内緒で。俺に言わないで?」 「そ、それは・・」 一太は遠見から目をそらした。 その様子に遠見はさらに怒りが沸き上がった。 「梓、梓が誰のものか、今夜もう一度確認しようか・・」 遠見はそう言うと一太の体を愛撫し始めた。 「あっ、やめ・・!」 一太は抵抗しようとしたが腕を縛られ身動きがとれない。 そのまま成す術もなく一太は遠見に身体を差し出す形となった。 遠見は怒りに任せて一太を抱いた。 後ろから何度も攻め立てた。 それは今までの遠見の行為とはまったく違うものだった。 遠見はただただ、一太を一方的に犯し続けた。 昼間に感じた愛しさを裏切られたような気がした。 あの幸せだと思った気持ちを踏みにじられたような気がした。 梓は俺のものだろ? そう思う気持ちをぶつけるしかなかった。

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