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インキュバス
ドクンドクンと拍動する音がなぜか響き、少しずつ身体中からエネルギーが集まってくる感覚がくすぐったい。
「ひもちいい?」
上ずった声に思わず、うんと答える僕。
「ここの声は漏れないから、目一杯叫んでいいよ」
ていうか、我慢できなくさせるけどとぼそっと低い声で呟いたのもちゃんと聞こえた。
彼はきっとインキュバス。
オリベはメデューサだったし、と頭の隅で冷静になる。
パワハラの次は吸血鬼と妖怪のハーフに好かれるなんて……ファンタジーだ。
「今、余計なこと考えたのわかっちゃった♪」
楽しそうに言った彼は僕の玉袋を優しく揉み出し、裏筋をゆっくりと舐めた感じがわかって引き戻される。
「あっ、ハッ……ヤァ、ア!」
今の刺激で集まっていたエネルギーの放出スイッチが入ってしまった。
「ごめ……は……はな、して」
僕の汚いものを誰かの口になんて出したくない。
でも、彼は大きく水音を立てたり、右手で激しくするのをやめてくれない。
「い、あ、あっア……アッ、アアッ、アアアアッ!」
ピクピクと身体が震えた後、ゴクンと大きく喉を鳴らす音が聞こえる。
「ごちそうさまでした」
白くて長い指にまとまりついた白濁の液を長い舌で絡め取る姿は男性なのに、艶かしかった。
「アーサ、長ない?」
頭の中に響いた声に聞き覚えがあったから、安心する。
「オ、リ、ベ……?」
そう呟いた途端に視界が晴れて、赤い長髪のオリベが微笑んでいたのが見える。
黒のスキニーに黒のカーディガン、深緑のTシャツをちら見せしていた。
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