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コハクの本気

「わたくしは優しい方でございます……どちらかが純粋であったなら、もうあなたはわたくしのものへと完璧になっております」 いつの間に解いたのかわからないけど、下ろしたこげ茶の髪が僕の首をくすぐる。 そして、僕の身体を手だけでなく、クジャクのような羽で覆うコハクさん。 「イチジクの花は中にございます。赤く熟れてくると咲きますので下の方が膨らみ、白い液を出すのでございます」 このようにと、右の羽が僕の下半身の膨らみを撫でると、ジワリと黒い染みが出来る。 「んあッ、イ、アアッ……だアッ」 ツンツンと刺激されて快楽が頭の中を占めそうになるけど、オリベを裏切りたくなかった僕は身をよじる。 「本当に嫌だと思っておりますか?」 これこそ悪魔の囁きだというように耳元で言うコハクさん。 「こんなに気持ち良さそうにして……いけない子でございます」 襟足から首の付け根まで縦に何度も舐めるコハクさんに少しずつ洗脳されていく。 ペチャペチャという水音。 歌が上手いとわかる鼻歌。 「わたくしには……シノちゃんだけでございます」 後頭部にキスを落とした瞬間、カチッと頭の中で何かが切り替わった。 「僕も……コハクだけだよ」 ストーブの上にある鍋がぼこぼこと言って、甘く誘う香りが部屋に充満した。 「いい子でございますね……ご褒美を差し上げましょう」 黒い矢印のような尻尾がモゾモゾと動き、僕のお尻の中へ入っていく。 「ア、ハッ、ンハッ……アアアッ」 ビリビリと感じたことのない気持ちよさに、腰が自然と揺れる。 「前立腺でございます。シノちゃんの中のイチジクでございますよ」 「アッ、アッ、アアッ……アッ」 「もう聞こえてはおりませんね」 では、仕上げをと、僕から離れたコハク。

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