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ラシャ
オリベと出会ってから1ヶ月になる今日はバーはお休み……それはオリベがいないから。
「大丈夫やで? オレは無理矢理吸う趣味ないからな」
つぶらな瞳を煌めかせて、八重歯が出るくらいに思い切り笑うラシャの顔にどこか母親のような安心感を抱く僕。
それに、そばにいて怖くないのは僕と同じ受け側だからなんだ。
ラシャさんの手ほどきの元で、僕は受け入れる準備をして、実習着を着る。
その相手はアサギさんでもスオウさんでも、コハクさんでもない……オリベだって決めた。
「ごめん……待たせてもうたな」
ラシャさんに守られたまま、僕は声の方へ身体を向ける。
そこには、闇に染まったような黒い髪に裸眼、血が飛び散る白いパーカーを着たオリベが困った顔をして立っていた。
「悪い菌にまみれて風邪引きそうなんで……消毒してや、看護師さん」
妖しく笑うオリベに誘われるように、僕はオリベの胸に飛び込む。
「特別な処置が必要なので、オリベの部屋に行きましょう」
僕は誘いに乗るように、静かに囁いた。
「は〜い、お願いします」
明るい声で言ったオリベは僕をお姫様だっこをし、キスをしながらプレイルームを出た。
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