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第32話
「そんな腐った王の支配するア・スティルを乗っ取り、かつて王族であった筈のオレを見捨ててこの国に売り飛ばした、いけ好かないウ・リガを乗っ取る……そして、いずれは三国のうちで最も弱小な存在の雪に覆われることしか存在意義のないイ・ピルマを支配し終えて役立たずとなったお前らを奴隷のように扱うこと……それがオレの復讐であり、生きていくための目的――そのためなら邪魔者は全て排除する」
《邪魔者》という裏切り者のジルガから発せられた言葉を聞いて、凄まじい怒りと共に果てしない悲しみまでもが襲いかかってくるような気がした。
太陽みたいに暖かかくて優しかった兄であると同時に産みの母でもあったセレドナや何の罪もないキャンベル伯爵。
それに国を守るために日々苦しい鍛練をして必死で生きてきた多数の兵士達は裏切り者のジルガの身勝手な復讐のために貴重な命を理不尽に奪われてしまったのか――と思うといたたまれなくなってしまい、わなわなと体が震えてしまう。
裏切り者のジルガの操り人形と化した父は、今はルベリアから離れてジッと側に立ち尽くすばかりであり血の繋がった息子がどんなに声をかけても反応すら示してはくれないどころか目線すら此方へ向けてはくれないのだ。
「セ、セレドナは……ジルガを愛してた……まるで本当の家族みたいに愛していたのに……っ____」
「…………」
ぴくり、と裏切り者のジルガの眉が動いて少しばかり彼が動揺したということに気付いたものの、それでもこの不利な状況に変わりはなく相変わらず体は自分の意思に反して動いてはくれないのだ。
「愚かなア・スティルの王子……今は存在しなくなったセレドナの話なんかしたところで……オレの復讐はまだまだ終わらない――むしろ、これからが本番だ……お前には、父であり王だったこの男との間に子を成してもらう。そして、その後は……」
ふと、言葉を切り――厭らしく笑うジルガの姿を見てルベリアはこんな奴に大切なセレドナ達の命を奪われたのかと情けなく感じてしまった。
だが、それよりも今まで身近にいたジルガの思惑に気付けなかった自分に対しても嫌悪を抱く。
しかし、今更どんなに嘆いたところでキャンベル伯爵やセレドナ――そして大勢の兵士達の命は二度と帰ってくることはなく、その太陽のごとき笑顔をルベリア達に振り撒くことはない。
(それよりも……今は、これからどうするかを考えなくては……とはいえ、体を動かせないと……どうしようもない……っ___)
そんなことを頭の中で思い浮かべつつ、再び裏切り者のジルガの命令によって操り人形と化した一糸纏わぬ姿の父は容赦なく帯びた子犬のようなルベリアの体へと乗りかかってきて快楽を与えるための愛撫を再開する。
それと同時に裏切り者のジルガの【聖鳥】――ジュマもルベリアに対しての愛撫を再開するのだが、つい先程のものとは違って激しくなる行為を強制的に与えられビクビクと体を激しく震わせることしか出来ない無力な自分に歯がゆさを覚えた。
グチュッ……ヌチュ……ッ____
「あっ……んあっ…………や、やめ……っ……そ、そこは……あっ…………ああっ……い、いく……もう……いっちゃう……っ……!!」
ビュクッ……ビュルルッ____と勃起したルベリアのペニスの先端から勢いよく白濁液が飛び散る。
待ってましたといわんばかりに、緑色の毛に覆われている羽根の先端をまるで触手のような粘液まじりの柔らかな形状へと自由自在に変化させたジュマがゆっくりといたぶるように執拗に擦ったり揉んだりと愛撫したせいで、ついにルベリアに襲いかかる快楽という欲望が爆発してしまったせいだった。
「ジュマ……今はこの無力な王子と遊んでいる暇はない――もうすぐで、夜中の十二時だ……異国ではある少女が魔法によって憧れの姫となりその幸せをもたらした魔力の終わりを告げる時刻が夜中の十二時だという話が存在する。だが、今オレらが直面してるのは終わりではなく、むしろ始まりを告げる時。腐りきった世界を廃して新世界を作りあげる儀式……それをこれから実行するんだ」
【へいへい、こいつに……アレを飲ませりゃいいんだろ?ほら、惚けてねえで……無力な王子様に最高な贈り物をやるよ……あまりの快楽に壊れちまうんじゃねえぞ?】
尚も、射精した後にビクビクと痙攣するルベリアの体を粘液混じりの羽根でまさぐったりして弄んでいたジュマだったが、ふいに主人であるジルガに釘をさされたため、その手を止めた。
そして、今度は半開きになったルベリアの口に粘液混じりの羽根をぐいっと押し込んできたかと思ったとたんにグッタリと放心している彼にナニかを強引に飲ませたのだ。
いくら心の中で嫌だと感じても、意思に反してルベリアの体は強制的に廃人同様と化してしまった父の方へ無防備に尻を向けてしまう。
しかも屈辱的なことに、ただ単に尻を向けているわけではなく、その両手でアナルを開き交淫を誘っているかのような行動をしてしまうのだ。
アナルがくぱくぱと動いて開いたり、閉じたりを繰り返すうちにルベリアの体も父のある物を待ちわびるような感覚に陥ってしまい、自己嫌悪に襲われる。
(い、嫌だ……っ____血の繋がった父様と交淫をするなど……ましてや、ジルガの思い通りに子を成した後に生まれ育った大好きな国を支配され奴の奴隷になれるなんて……絶対に……絶対に……嫌だ、嫌だ……嫌だよ……ルリアナ……ッ……)
不思議なことに、この絶対絶命な時を迎えてフッと頭によぎったのはあれほどに苦手だと思い今までひたすら避けてきたもう一人の兄であるルリアナの此方を見下しているような顔だった。
しかし、今はこの場にいないルリアナに救いを求めるしかないルベリアの様を嘲笑うかのように廃人と化して【裏切り者のジルガ】の操り人形となった父は尻を向けて交淫を誘うような姿勢に無理やりさせられている息子のアナルにペニスを押し付けてから、快楽による律動を繰り返す穴に挿入しようと試みるのだった。
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