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第3話 ピーチやべえ変態!
懐に隠した自爆用スイッチを探る。
スイッチは起動陣の描かれた護符で、ここにダンジョン創造主として授かった無限の鬼力を注げば、鬼ヶ島中に巡らせた爆破陣が起動する。
勿論この部屋の中、俺が正座するこの真下にも爆破陣は仕込んである。いくら鬼強い桃太郎でも、間近に強烈な爆発を食らえば死ぬだろう。死なば諸共というやつだ。
「ふむ、愛い奴よ。矢張、お前は俺が見込んだ通りの男だ。可愛がってやるから、股を開け」
は? こいつ頭おかしくね?
色々と聞き慣れない単語を耳に入れた俺は、全部なかったことにしてこいつ吹き飛ばしてやろうと思ったが……ちょっと考え直す。
どうせなら桃太郎の口車に乗って、身近に誘い込み、自爆してやろう。
死を覚悟の白装束。前袷の薄い着物だ。
脚を崩して裾を開け、ゆっくりと開脚していく。やつに見せつけるように。
「これでいいか? いいなら、こっちへ来い。貴様の望み通りにして────っ」
て、おい、まだ台詞途中だ。なのに桃太郎、瞬間移動したぞ。
一瞬で俺に最接近。さっきまで全身を目に映してたはずなんだが、今はもう目の前で桃太郎の顔がドアップ。うっ……こいつ、無駄にイイ顔してないか?
不覚にも桃太郎の整ったハンサム顔面に見とれて、固まってしまった。
祖国日本では、なかなか見ることのない桃色髪、桃色な瞳なんかも魅力的に映る。
桃太郎の手が、開けた裾の隙間から、すすっと入ってくる。
「な────────」
「肌理細かい。無垢な肌だ……誰にも触られていないな」
太腿を撫でられている。その触り方がというか手つきが、あやしい。
なでなでというより、ねっとり気味。指腹で、音階を弾くように親指から順番にドレミファソラシド~♪ そして手の平全体を使って俺の──確かに誰も触れたことがない太腿を撫で回す。
こいつ、変態か────?
「っ、貴様、何がしたい」
「この柔肌に、俺の証を刻んでやりたいだけさ」
「は────くぅ…っ」
ピーチな太郎から、噎せ返るような桃臭がしてきた。
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