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 *** 「っつ……やっ……あうっ」  貴司の掠れた喘ぎ声だけが部屋の空気を震わせている。  長いキスが終わった後、聖一はすぐに貴司のアナルへとローションを馴染ませて、殆ど慣らしもしないままにその体を貫いた。前回の傷を広げるような手酷い行為に貴司は叫び、必死に逃れようとしていたが、そこは力で捻じ伏せた。 「気持ちいい?」 「やっ……ん…あぅっ」  繋がったまま、長い時間をかけて両方の胸の尖りを捏ねてみたり、乳輪ごと揉んだりする内、貴司の声は明らかな艶を帯びていく。その細い腰がくねるように愉悦を求めて動く様は、卑猥だとしかいいようがなく、快楽に弱い姿を見ながら聖一は喉を鳴らして笑った。 「そう、気持ちいいんだ。だけど、今は逃げちゃダメだよ」  告げながら、乳首を摘む指へ力を込め、アナルに挿入しているペニスを何度か抜き差ししてやると、前立腺を掠めた途端、貴司の体が何度も跳ねた。 「あうぅっ、いたい……止めて!」 「どうやってあの部屋から逃げたのか、そろそろ教えて?」  限界まで乳首を引きながら笑顔を向けて優しく問うと、貴司の睫毛が細かく震え、緊張のためかピクリと収縮した後孔が、聖一のペニスを締めつけてくる。 「ほら、早く」 「やっ……あぁっ」  勃ち上がっているペニスをなぞると、たまらないといったように腰を揺らした貴司が潤んだ瞳でこちらを見上げてきた。解放を求め涎を垂らす小ぶりなペニスの根本には、コックリングが嵌められていて、両手は自慰ができないように頭上で拘束されている。 「言えたら取ってあげる」  囁きながらカリの括れを指で掴んだ聖一が、軽くそこを揺らしながらペニスの挿入を深くすると、既に限界を超えているのか、貴司の喘ぎが懇願に変わる。 「っあっ……ああっ、いっ……言うからっ、止めて……おねがい」 「いいよ、話して」  一旦動きを止めた聖一が促すと、躊躇するように目を逸らしてから、瞼を閉じた貴司がとうとう口を開いた。 「人に頼んで……助けて貰った。セイの、いない時に」 「人って……誰?」 「……調べたなら、知ってるだろ?」  どうしても自分の口からは名前を言いたくないのだろうが、それでは彼のためにならない。 「俺の口から言っても良いの?」  誰にも手を出させないためには、自分の口から言わなければならないという含みを持たせ、聖一が冷たく言い放つと、彼はゆるゆると首を振った。

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