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「うっ……ふぅ……んんっ」
どれ位、経っただろうか?
部屋の中は雄の臭いで充満し、幾度となく彼等の精を口やアナルで受け止め続け、貴司の思考はかなりあやふやな状態になっていた。
「あと何回、イケるだろうな」
正常位で貫かれたまま、勃ち上がっているペニスを指で弾かれて、貴司の体がビクッビクッと痙攣する。もう、何度達ったのかさえ分からない。
颯が部屋を出て行ってすぐに、三人掛かりで服を全て剥ぎ取られ、アナルの奥深くへと液体を流し込まれた。彼らはそれを媚薬と言っていたけれど、実際にそうなのかは分からない。
それでも、体に異変が起こるまでは貴司も必死に抵抗したが、頬を強く打たれたり、開口具の栓を外され中へとペニスを押し込まれたりするうちに、その気力もだんだんと削がれ意識は虚ろなものになった。
「ふぅ…んっ…んっ」
――気持ちいい。
与えられる快感だけを体は勝手に求めてしまう。媚びたような喘ぎが漏れ、勝手に動いてしまう腰を止めることもできなかった。
「随分気持ち悦さそうじゃん」
傍らで、ビデオを回す男が貴司を鼻で笑う。
「コイツの体、かなりいいぜ。お前もヤれば?」
「俺? 俺は男はムリ。ケツに突っ込まれてイケるなんて、マジ信じらんねーもん」
「ヤれば嵌まるって」
首を跨いで口内を犯す男が放ったその言葉に、
「ありえねー」
と茶化したような男の声が聞こえた刹那、打ち付けが一段とその激しさを増してきた。
「んんぅ……んっ……んぅっ!」
喉と前立腺への刺激に、体中が快楽だけで埋め尽くされる。
「もう一回、イッちゃいな」
頭上から、艶を纏った掠れ声が聞こえてくるけど、その意味すら分からなかった。ただ、与えられる全ての刺激が気持ち良くてたまらない。
――セイ……セイ。
過ぎた快感に溺れた貴司は助けて欲しいとまでは思えず、それでも何度も頭の中で聖一の名を呼んでいた。今の貴司が縋れる相手は聖一の他に誰もいない。
「ほら、イケよ淫乱」
胸の尖りを抓りあげられ、それと同時に前立腺を的確に穿たれた。
「んっ……んぅっ――!」
凄まじい愉悦の波にのみ込まれ、爪先が、何度も何度も宙を蹴り、少量の薄くなった精液が、押し出されるように自身の腹へと吐き出される。少し遅れて口内とアナルへ白濁を叩きつけられて、考えることさえできずに貴司はそれを嚥下した。それでもまだ、熱の治まる気配はない。
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