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――もしかしたらこのまま……こんな状況が永遠に続くんじゃないか?
出口も見えず、堕ちていくだけの日々の中、ぼんやりとそんな考えがを貴司の脳裏を過ぎったころ、繰り返すだけの毎日に変化は突然訪れた。
その日も、いつものように目隠しをされ、いつものように媚薬を使われ、何人かの男によって貴司は酷く犯されていた。
聖一は部屋にいない。なぜなのかは知らないが、近ごろ彼は凌辱が始められると、決まって部屋を後にした。
『行かないで』と縋る言葉は、何度も口から出そうになったが、僅かに残ったプライドで、貴司は必死に口をつぐむ。大抵は、散々貴司が犯されたあとに戻ってきた聖一が、うわごとのように彼の名を呼ぶ貴司のことを抱くのだが、その日は様子が違っていた。
「お土産連れてきたよ」
カチャリとドアが開く音に加え、意味の分からぬ聖一の言葉。
「やぁっ……離してっ!」
そして、合意であるとはとても思えない怯えを孕んだ少年の声。聞いたことのないその声に、何かが変だと思ったけれど、思考が上手く働かない。なぜなら、貴司の体は薬によって極限まで高められ、ペニスの根元を戒めているコックリングで射精も塞き止められていた。それに加えて喉の最奥を男のペニスに何度も穿たれ、一瞬だけ戻った正気もすぐに散り散りに霧散する。
――達きたい。
過ぎた愉悦の渦の中、貴司はそれしか考えられず、結果的に取り返しのつかない罪を犯してしまうことになった。
「セイ……どうして?」
「たまには顔を見せてあげてもいいじゃん。それに、今日は貴司にお土産持って来たから」
突如、今まで一度も外されなかった目隠しから解放され、動揺した貴司が聞けば、聖一はニコリと微笑みながら前方を指差した。
「あっ」
そこにいたのは、あどけなさをまだ残したままの、綺麗な顔立ちをした少年で。
「サエにちょっと似てるでしょ?」
耳元でそう囁かれたけど、あまり良くは聞こえなかった。そんなことより、溜まりに溜まった熱を放出させたかったのだ。
「お友達連れて来てあげたから、貴司も久しぶりに突っ込みなよ。入れるのは御無沙汰だろ?できたらコレ、取ってあげる」
「ああっ!」
戒められたままのペニスへと聖一が軽く触れただけで、脳天から背筋にかけてを電気が流れたような愉悦が突き抜ける。
「嫌……離してっ!」
目の前で、怯えたように震えながら、それでも必死に抵抗している少年の姿を見る内、自分の中の何かが彼と重なるような気がしてきた。けれど、ほんの僅かに残されていた理性の破片も、聖一にペニスを揉まれ、耳たぶを甘く噛まれる内に、快楽を追うことだけで一杯になってしまう。
「……したら……イカせてくれるのか?」
完全に、貴司は熱に浮かされてしまっていた。
「約束するよ」
そう告げてきた聖一の、蕩けるような甘い声音に操られてしまったように、貴司は今会ったばかりの華奢な体を貫いた。
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