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「く……うぅ」
「痛そう。でも、ヒクついてる」
長く貴司を苦しめていた太い異物が取り除かれ、懸命に肩で息をしていると、艶を纏った聖一の声が聞こえてきた。
「あ、あっ、セイ……そんなこと、止め……ろ」
喰む物を失ったことで、伸縮をはじめたアナルへザラリと舌が這わされて、貴司は必死に止めようとするが彼の動きは止まらない。
「やぁ……おねがい……もう……」
孔の中まで舌が捩込まれ、たまらず前へと逃れるけれど、動いた瞬間乳首の糸がピンと張り、「ひっ!」と一声悲鳴を上げると、貴司はそのまま力を失いパタリとシーツへ倒れ込んだ。
「あ……あぁ」
舌から逃れることはできたが、新たな痛みに蹲る。乳首のつけ根に食い込んでいる糸を速く解きたくて、貴司はゆっくり手を持ち上げると自分の胸へと持っていく。
――動かせる。
まだ痺れは残っているが、少しは指も動かせるほどに貴司の腕は回復していた。
――糸を……取らないと。
まず先に、自分の糸を解こうと考え、うずくまったまま結び目へと指を沿えた貴司だけれど、指が細かく震えてしまい、小さな結び目はほどけない。
「俺が取ってあげるから、先にこっち外して。そのほうが簡単だ」
少しの時間、糸と必死に格闘していた貴司の前に、静観していた聖一の腕が差し出される。
「……でも」
それは貴司も考えたけれど、彼を自由にするのはかなり不安だった。
「俺が怖い?」
「違う。お前、変なことするから」
「貴司が嫌がることはしない。今外してくれなかったら、後でお仕置きするけど、それでいい?」
「それは……嫌だ」
「だったら外して」
そんな風に言われてしまえば選択肢は他にない。だから、横臥し体を丸めた姿勢で正面にある聖一の腕へと腕を伸ばし、紐の結び目に指を掛けると、震えを堪えてそれを解いた。
「痛くない?」
手首へとついた縄目の跡が何だかとても痛そうだ。思わずそれを指でなぞれば、スッと動いた彼の掌に逆に手首を掴まれてしまう。
「セイ?」
「貴司のほうが痛いだろ。今取るから、そのまま……動かないで」
「分かった」
優しい笑みを浮かべる彼に、複雑な想いを抱きながらも貴司は素直に従った。まず先に、膝へと絡んだ紐を解かれ、乳首に食い込む細い糸だけが残される。脚が自由になっただけでも体は随分楽になった。
「ここも」
「あっ」
さっきは全く取れなかった糸もたやすく外されて、「ありがとう」と貴司が告げると聖一は小さく頷いた。
「痛そう。血が滲んでる」
「うっ」
胸の尖りへと優しく触れた指先に、貴司が小さく体を揺らすと、それは直ぐに離れていって代わりに舌が這わされた。
「んっ……セイ、止めろ」
皮が剥けて傷ついた乳首はかなり敏感になっていて、痛みはもちろん感じるけれど、それ以上の熱と疼きが体の奥からわきあがる。
「セイッ」
たまらず制止を訴えるけれど聞き入れてはもらえない。そればかりか、仰向けに押し倒されてしまい、そのまま乳首を軽く吸われて貴司の体がヒクッヒクッと小刻みに痙攣した。
「嘘……つき」
嫌なことはしないと言ったばかりなのにという非難を込め、貴司が聖一を睨みつけると、口を胸から離した聖一が上目遣いでこちらを見る。
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