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第6話

森が開けて、見たことの無い景色が目の前に広がる。 ………やっぱり、ここは僕が住んでた世界とは違う。 僕、本当に異世界に来ちゃったの!? そう思って一歩足を踏み出すと、道が舗装されてることに気付いた。 ……道が整備されてる。 僕はそう道を目で追った。 道の先は見えなくて、何があるのか分からない。 どこまでも続く一本道。僕は何気なしにその地面に触れてみた。 アスファルトじゃない…… かといって、土を固めた感じでもない。 その道は僕の世界みたいにアスファルトやセメントで固めたものでも、土を固めただけの脆いものでもなかった。 すごいしっかりしてる。 そう思ってコンコンと叩いてみる。 この道、どうやって作ったんだろう? 固めただけじゃ、こんなしっかりはしないだろうし。 見た感じ、この世界に機械があるようには思えない。 そんな事を考えていると、僕は有ることに気付いた。 もしかしてこれ、魔法で作ったんじゃ!? だったら説明がつく。土魔法とか使えば、しっかりした道なんていくらでも作れる。 ジークさんのステイタスにも属性があったし、この世界では魔法が使えるんだ! ………てことは、もしかして僕も魔法が使えちゃったり!? そう思ったら、ワクワクが止まらなかった。 「トーマ!そんなとこで何をしている?」 僕が道に気を取られてると、ジークさんがそう言って近付いてくる。 しまった!ジークさんが居ること忘れてた。 「…す…すいません。」 僕が謝ると、ジークさんがクスッと笑った。 「まぁいい。さぁ行こう、あっちに馬を用意してある。」 そう言ってジークさんは僕の手を引っ張った。 ジークさんがここまでどうやって来たのか気にはなってたけど、馬で来たんだ。 でも、どうしよう………僕、馬になんて乗ったことない。 どうしようと思ってても、ジークさんに手を引かれてどうすることも出来ない。 僕は取り敢えず、ジークさんに着いていくことにした。 少し歩くと、木の根本に馬が繋がれていた。 うわっ、真っ白でキレイな馬。 …………でもこれって、馬…なのかな? その馬は、僕が知ってる馬より一回り以上大きくて、その額には長い角が一本生えていた。 ………これって、ユニコーン? あ、でも馬には違いないのか そう思って見ていると、またピコンと音がして馬の横にウィンドウが現れる。 ーーーーーーーーーーーー ライトニングホース Lv68 属性 光 HP 2600/2600 MP 5000/5000 主 ジーク・フェルテス ーーーーーーーーーーーー ………ライトニングホース? この子、ユニコーンじゃないんだ。 そう思っていると、突然体が浮く感じがした。 え? 気が付くと、僕はジークさんに抱えられていた。 えっ!?なっ!? なんで僕ジークさんに抱えられてるの!? 僕は訳が分からず、バタバタと手を動かす。 「こら、暴れると落とすぞ?」 「お、下ろしてください!」 「ははっ、そんな大きな声も出るんだな。」 そう言ってジークさんは声を出して笑う。 「っ!」 僕は、その笑顔に魅せられた。

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