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第7話

ジークさんの笑顔に見惚れてボーッとしてる内に、僕はライトニングホースの背に乗せられた。 そこはいつもより視界が高くて、どこまでも見渡せるような気がした。 さっきまで馬に乗るなんて不安だったけど、そんな不安は一瞬で消えた。 手に触れるライトニングホースの毛並みはビロードのように滑らかで、たてがみはサラサラで少し風に靡く。 僕が撫でると、ライトニングホースが微かに反応する。 それがちょっと可愛いと思った。 「リューイが俺以外を大人しく乗せてるのは珍しいな。」 そう言いながら、ジークさんが僕の後ろにヒラッと乗った。 僕は突然感じた人の体温に体を強張らせた。 ど、どうしよう!? こんなくっついてたら、緊張でどうにかなっちゃいそう。 「…リュ、リューイって……この子の名前、ですか?」 僕はなんとか緊張を紛らわそうと、ジークさんに話しかけた。 ただ話すことにも慣れてない僕は、これも難易度が高かった。 「あぁ、こいつを従魔にしたときに名付けたんだ。」 そう言ってジークさんはニコッと微笑む。 僕はその笑顔すら直視出来なくて目を逸らした。 「さぁ行くぞ。落ちないようにしっかり掴まっていろ。」 そう言って、ジークさんが手綱を引いた。 それを合図にリューイが走り出す。 どんどんスピードに乗って、それは風を切るというより、風そのものになったみたいだった。 す、すごい!早い! 木や建物がどんどん通り過ぎてく。 それにこんなに早く走ってるのに、振動を殆ど感じない。 本当に風になったみたいだ。 しばらく走ると街並みと、その奥にお城が見えてきた。 街並みもそのお城も中世のヨーロッパみたいだ。 すごい!なんか海外に来たみたい。 ………って、海外どころか、ここ僕が住んでた世界とは違うんだった。 そう思って、僕は街並みを眺めた。 街並みを眺めていると、ふとあることに気付いた。 ジークさんは街を避けて、遠回りをしていた。 ものすごいスピードで走っていたリューイも、今はスピードを落として歩いてる。 言われるままジークさんに着いてきちゃったけど、一体どこに向かってるんだろう? そう思って様子を見ていると、街の奥にあったお城がだんだん近付いてくる。 それはお伽噺に出てくるような、レンガ造りのお城。 もしかして、あのお城に向かってるのかな? そう思っていると、お城の塀が目の前に近付いてくる。 僕はその塀の高さに圧倒された。 リューイが前まで行くと、音を発てて門が自動的に開く。 リューイは迷わず、その門をくぐった。

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