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第11話

僕たちはしばらく、お茶とお菓子を楽しんだ。 ただお茶は美味しかったけど、お菓子が微妙だった。 クッキーみたいだったけど、僕の世界の物とはちょっと違うのかな? 休憩した後、僕はまたカノエさんの案内で長い廊下を歩いていた。 僕は結局どこに向かってるのかも、何をするのかも聞けないでいた。 さっきカノエさんが水晶がどうのって話してた。 水晶ってなんだろう? そんな事を考えていると、目的の部屋の前に到着した。 結局あれから5分くらい歩いてた気がする。 このお城広過ぎだよ。 「さぁ、どうぞ」 カノエさんがその部屋のドアを開けて、手で行き先を示す。 その部屋に何があるのか、何をされるのか分からなくて、僕はその部屋に入ることが出来なかった。 カノエさんがドアを開けて待っててくれてる。 早く入らなきゃ……でも、怖い。 そう思ってると、ポンッと背中を叩かれた。 「大丈夫、怖がることはない。トーマが嫌がることはしないから安心しなさい」 そう言ってジークさんがニコッと笑う。 ……優しい笑顔。 その瞬間、僕の中からさっきまで感じてた恐怖が消えた。 僕は意を決して、部屋の中に入った。 部屋の中は12畳くらいの広さで、中央に何か置かれている。 玄関ホールや廊下みたいに装飾品はなくて、白一色のシンプルな部屋。 僕はキョロキョロと部屋の中を見回した。 「さぁトーマ、こっちへ」 そう言ってジークさんが手を差し伸べる。 僕は恐る恐る、その手を取った。 ジークさんに手を引かれて連れて来られたのは中央にある置物のところ。 それは腰くらいまでの高さの台座の上に水晶が乗っていた。 話に出てた水晶ってこれの事かな? なんかこういうシーンて、異世界系の漫画や小説によく出てくる気がする。 僕が読んでたのにもあった。 ……じゃあ、これってもしかして。 「トーマ、この水晶は触れた者の魔力を測定する物だ」 やっぱり!! ジークさんの言葉に、僕はテンションが上がった。 これでどうやって測定するのかな? ジークさんはこれに触れるって言ってたから、この水晶が光ったりするのかな? そんな事を考えながら、僕は水晶の回りをウロウロと観察した。 水晶をマジマジと見てると、ジークさんからクスッと笑い声が聞こえた。 あ……僕、はしゃいじゃった。 そう思って、僕は水晶から一歩離れた。 「トーマ、その水晶に触れてくれるか?」 「……触れると、どうなるんですか?」 「魔力に反応して色が変わる。火なら『赤』水なら『青』といった感じで、魔力が強ければ強いほどその色が色濃く現れる」 『こんな感じにな』と言って、ジークさんは自ら水晶に触れた。 ジークさんが触れた瞬間、水晶が光る。 見ると水晶の光は赤、青、紫、黄の四色で、それらはユラユラと形を変える。 四色って事は、4つの属性があるって事だよね。そういえば、ジークさんのステータスの属性も4つあったような…… 『赤』が火で『青』が水、『黄』は光かな。 『紫』は何だろう?ジークさんの属性、後何だったっけ?

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